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官能小説 【小説版】タワーマンションの女たち 6話
変化を感じて
私は麗子さんに言われた通り、ジャムウ・ハーバルソープでデリケートゾーンのパックを始めていた。約三分間の泡パックをしている間は、湯船の淵に座って本を読んでいる。
毎日、時間だけが空しく過ぎていった。あれ以来、一度も翔太はうちに来てくれない。 私に会いに来ないということが、彼にとってこの恋の終わりのサインなのかもしれないと思うと、胸が締めつけられた。
私にとって、翔太がなくてはならない存在になっていたことをこんな風に思い知るとは思ってもみなかった。 私はスマホを手に彼にメールを送ろうとする。けれど、なんて書けばいいのかわからなくて、そのまま画面を閉じた。
夜が更けていく度に切なくなる。時間を持て余すのに慣れてきたことが悲しい。 私は感傷的な気分になるのが嫌で、財布とスマホを持つと部屋を出た。 向かった先は麗子さんのいるバーだった。
自分磨き?
二度目だと言うのに、最上階のバーの扉を開ける瞬間は緊張する。 私は小さく深呼吸をすると、扉を押し開けた。
「いらっしゃいませ。Bar ラブ・イマージュへ」
前回と同じように、麗子さんが出迎えてくれる。 私は「こんばんは」と言って、この間と同じ席に座った。
「お飲み物は何になさる?」
麗子さんに問われて、私は「ジントニックをお願いします」と答えた。
麗子さんは出来上がったジントニックを私の前に置くと、静かに微笑む。
私が話し出すのを待っているのかもしれない。
「実は麗子さんにいただいたジャムウ・ハーバルソープで泡パックをするようになってから、ニオイが気にならなくなってきたんです」
私はジントニックを一口飲んでから言った。
「それは良かったわ。頑張って続けてみてね」
「はい。ただ……」
私は言って良いのか迷って、そこで言葉を止めた。
「どうかなさったの?」
「ニオイは気にならなくなってきたんですけど、彼がケンカしたっきり、うちに来てくれなくて」
「それは困ったわね。メールや電話はしているの?」
「いえ……。一度メールをしたら、忙しいから当分行けそうにもないって返信が来て、それからは、なんてメールをしていいのかわからなくて……」
言っていて、涙が出そうになる。大学院で研究をして、家に帰ってきて家事をして、休みの日にはヨガに行って、そういういつも通りの毎日を過ごしているつもりだったけれど、 翔太のいない毎日はいつも通りなんかじゃない。それに気が付いてしまったのだ。
「彼は本当に仕事が忙しいのかもしれないわ」
「え……」
思いもしなかった言葉に私は小さく声を漏らす。
「仕事が忙しいと、他のことがおろそかになってしまう男性は多いものよ。連絡がなくても平然と待っていられる余裕が持てるといいわね」
麗子さんの優しい微笑みに私は久しぶりにほっとした気持ちになった。
「そうだわ。ニオイ以外のケアもしてみたらどうかしら? 彼に会えない間に、もっと自分を磨くのもいいものよ」
そう言って、麗子さんは大きな黒い棚の引き出しから白い箱を取り出した。
「これは、ジャムウ・デリケートパックっていうの。デリケートゾーンの肌の引き締めケアが出来るジェルタイプのパックで、膣やデリケートゾーンの内側に塗って使うのよ。今はジャムウ・ハーバルソープで泡パックをしているでしょう? その時に、このジャムウ・デリケートパックで同時に内側もパックをするといいわ」
麗子さんはそう言って、ジャムウ・デリケートパックを私に差し出した。
「彼に会えなくて寂しいかもしれないけれど、彼を待っている間にこれで自分磨きをしてみて」
私は「ありがとうございます」と言って、麗子さんからジャムウ・デリケートパックを受け取った。
会えない間に自分磨きをする、ってちょっと素敵かも……。 そんな風に前向きに思えたことがなんだか嬉しかった。
自分磨きをしてみよう
私はバーから帰宅すると、早速、麗子さんからもらったジャムウ・デリケートパックを試すことにした。
髪も身体も洗い終え、ジャムウ・デリケートパックをチューブから出す。私はジャムウ・デリケートパックを膣とデリケートゾーンの内側に塗った。そして、ジャムウ・ハーバルソープで、デリケートゾーンの泡パックも同時に始める。
私は湯船の淵に座ると、本のページをめくった。本を読んでいる間は、余計なことを考えずに済むのだけれど、今日はジャムウ・デリケートパックでパックをしていることが気になって、あまり集中することが出来なかった。
きっかり三分後、私はシャワーで二つのパックを洗い流す。
「すごい……」
私は思わず声を出していた。
ジャムウ・デリケートパックを流し終えた後、デリケートゾーンの内側の肌がきゅっと引き締まったような感じがしたからだった。デリケートゾーンの内側に指を滑らせると、きゅっきゅっと音がしそうな感じすらする。
翔太と会えない間にこれで自分磨きを頑張ろう、と心の底から思った。
待っていた連絡
ジャムウ・ハーバルソープとジャムウ・デリケートパックの二つでパックを始めてから、どんどんニオイが気にならなくなっていた。
これで翔太とのエッチも積極的に楽しめるといいな……。
私は淡い期待を胸に抱く。けれど、自分磨きが進んでも、彼は私に会いに来るどころか、連絡すらくれない。
麗子さんは「連絡がなくても平然と待っていられる余裕が持てるといいわね」って言っていたけれど、私にはまだ無理そうだった。
キッチンで夕飯の下ごしらえを終えた私は、カウンターに置いてあるスマホを手に取った。
「翔太からだ……」
スマホには翔太からのメールを知らせるメッセージが表示されている。 久々に翔太からメールが来たことが嬉しいものの、そこに良くないことが書かれているのではないかと一抹の不安が過ぎった。
私がメールを開くと、「今日の夜、行ってもいい?」といういつもと変わらないメッセージが書かれてあった。 別れ話をされたらどうしよう、と思ったものの会いたい気持ちが勝(まさ)って、私は「いいよ。夕飯、用意しておくね」と返信した。
久々の彼
インターホンの音が静かな部屋に響いた。
私がインターホンを見ると、翔太の姿が画面に映っている。私は通話ボタンを押して「おかえり」と声を掛け、開錠ボタンを押した。 いつものように玄関の鍵を開け、ソファに座って彼が部屋に入ってくるのを待つ。 大した時間ではないのに、とても長く感じた。
玄関のドアが開く音がして数秒後、翔太が姿を現した。
「おかえりなさい」
「ただいまー。あー、疲れたぁ」
翔太は定位置に鞄を置くと、上着を脱いで手慣れた様子でハンガーにジャケットをかけなから私を見る。
「なかなか、連絡が取れなくてごめん。仕事が忙しくて。ちょっと校了前にトラブっちゃってさ。やっと一段落したんだよ」
「私のことが嫌になったから、来なかったんじゃないの……?」
恐る恐る問う私に翔太はきょとんとした顔を向けた。
「なんのこと? あ、もしかして、ケンカしたことを気にしてた?」
「だって……」
「俺が根に持たないタイプだって知ってるだろ?」
翔太はそう言って笑った。
なんだ……。
ほっとすると同時に涙が頬を伝った。

「え? マジで!? そんなに俺に会えなかったのが寂しかったの?」
「うん……。嫌われちゃったのかなとか、今日別れ話されるのかなって思ってて……」
「そんなわけないじゃん! 仕事が忙しかっただけだよ。一つのことしか一度に出来ないからさ。瑠々とはもう長いし、連絡しなくても大丈夫かなって思ってたんだけど……」
泣きじゃくる私を翔太はぎゅっと抱きしめる。
「ごめん。不安にさせちゃってたんだな」
「ううん。最後に会った時、翔太が怒ってたから……」
「この間はきつい言い方してごめん。ただ瑠々にエッチを楽しんでほしくて……」
「私こそ、ごめんね」
翔太は私の頬を両手で包み込むと優しく口づける。その口づけは深く甘く、久しぶりの彼の温もりに私は身を委ねていた。 私の頬を包み込んでいた両手がそっと離れ、次第に下へと下りていく。 それと同時に唇も首から鎖骨へとゆっくりと下りていった。
「俺さ、すごく瑠々としたいんだ。シャワー浴びたら、ご飯より先に瑠々を食べたいなぁ……なんて」
翔太は少し照れたように私の耳元で言う。
「うん……。待ってる」
翔太は私をぎゅうっと力いっぱい抱きしめ、もう一度キスをすると、「シャワー浴びて来るね!」と嬉しそうにバスルームに行ってしまった。
「良かった……」
涙を拭うと、自然と笑みがこぼれた。 デリケートゾーンのニオイが気にならなくなった今、翔太と初めて心の底からエッチを楽しめる気がしている。
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あらすじ
翔太のために毎日ケアを続いているものの、翔太とは会えない日が続いていて瑠々は不安な気持ちを募らせていた。
そんな中、再び麗子のバーを訪れることにして…