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官能小説 【小説版】タワーマンションの女たち 3話
『チャレンジの時間』
翌日、私はシャワーを浴びると、早速インナーボールを箱から取り出した。青い球体は適度に硬く、力を入れて押しても変形することはない。
「これを自分で挿れるって、結構勇気いるなぁ……」
インナーボールをまじまじと見つめ、しばし思考を巡らせる。
大きさは匠のより小さいし、入らないってことはないよね。
私はインナーボールを挿入してみることにした。
箱に書いてある注意事項を読みながら、私はリラックスした体勢を取る。
エッチの時もそうだけれど、緊張で力を入れるのは良くないはず……。
深呼吸をし、身体の力をふっと抜くとインナーボールを膣の入口にあてがった。材質のおかげなのか、冷たさなどは感じない。紐を指にかけ、インナーボールを押すと、ゆっくりと圧がかかっていくような感覚があった。少しずつ、インナーボールが身体の中に沈み込んでいく。特に痛みもなく、思いの外、すんなりと一つ目のボールが入った。二つ目も入れてしまいたいところだけれど、まずは一つだけで試すことにした。
インナーボールを指で軽く押さえたまま、お尻の穴に力を入れる要領で膣にも力を入れてみる。自分で思うよりもずっと簡単に力を入れることが出来た。
これなら、10分から15分なんてあっという間かも……。
私は規則的に膣に力を入れる。時折、力を入れ過ぎて、インナーボールが飛び出しそうになったけれど、その都度、指でくっと入れ直す。
ふと匠の顔が過ぎった。
これを続けたら、匠は気持ち良くなってくれるのかな?
インナーボールで膣トレーニングを終えた後は、箱に書いてある説明通り、丸洗いし、匠に見つからないように自分の下着を閉まっている引き出しにこっそりしまった。
インナーボールを使用するようになってから、匠と初めてのエッチの時がきた。
最近はいつもにも増して、匠の仕事が忙しく、同じ家に住んでいるのに擦れ違いの日々が続いている。
「挿れるよ」
匠は私の上に跨り、耳元で囁くと私の身体を一気に貫いた。
「んっ……」
匠が中に入ってくるなり、珍しく小さな声を発した。
これって、もしかして……。
私はエッチに集中出来ずに、匠の様子にばかり気を取られてしまう。匠はいつもより快感を覚えているように見えた。
インナーボールで膣トレーニングをした実感が出始めたのかも……!私は彼の背中に腕を回し、彼の身体をぎゅっと抱きしめながら、思わず笑みをこぼした。
『更なるトレーニングを』
「いらっしゃいませ。Bar ラブ・イマージュへ」
穏やかな微笑をたたえ、麗子さんは私を出迎えてくれた。 私は緊張しながらもこの間と同じバーチェアに腰をかける。
「何を飲まれますか?」
「えっと、じゃあ、今日はシャンディーガフを」
「かしこまりました」
麗子さんは手際良く作り、私の前にそっとシャンディーガフを差し出した。
私は一口飲むと麗子さんを見る。
「今宵、何をお望みですか?」
麗子さんは落ち着いたトーンで私に尋ねた。
「この間もらったインナーボールのことなんですけど……」
「あら、お気に召さなかったかしら?」
「いえ……。インナーボールのおかげなのかな?と思う出来事はありました」
「それは良かったわ」
「ただ二つ目のボールがその……入らなくって……」
「それは困ったわね。でも、安心して。解決する方法があるわ」
「本当ですか?」
「ええ、勿論よ」
そう言って、麗子さんは前回同様、大きな黒い棚の引き出しから何かを取り出した。
「このラブスライドも一緒に使ってみるといいわ」
麗子さんの手にあるチューブに私の視線は釘付けになる。
「これは……?」
「モイスチャージェルよ。インナーボールの滑りを良くしてくれるわ。直接、膣に塗ってもいいし、インナーボールに塗って使ってもいいの。ラブスライドで滑りが良くなれば、二つ目も入れやすくなるはずよ」
「ありがとうございます」
私は麗子さんからラブスライドを受け取ると、お礼を言った。
「お客様に愛のある夜が訪れますように」
麗子さんはそう言って優しく微笑んだ。
『続けることで』
ラブスライドをインナーボールに薄くのばしていく。
滑りが良くなるって麗子さんが言っていたけど、塗っているとインナーボールの表面がねっとりとしていくみたい……。
私はラブスライドを塗ったインナーボールをいつもの手順で膣の中に入れていく。
すると、不思議なほど、二つ目のボールもすんなり入った。私は奥に行きすぎないようにしっかりと紐を持って、膣に力を入れる。
これで匠は喜んでくれるかな……?
膣トレーニングは順調に進んでいると思う。
けれど、私には困ったことがあった。
「どうして、応じてくれないんだろう……」
匠は仕事が忙しいと言って、最近いつもすぐに寝てしまう。同じベッドに寝ているから、私からエッチを誘うことも出来るけれど、そんな隙すら見つからない。
なんでだろう? この間はいつもより気持ち良さそうに見えたけど、私の気のせいだったのかな……。 私がぼんやりそんなことを考えていると、玄関のドアが開く音が聞こえ、匠がリビングへと入って来た。
「ただいま」
「おかえり」
「あの……」
「夕飯は済ませてきたから風呂入ってくるね。先寝てていいよ。俺もすぐ寝るから」
「……」
匠はそう言って、バスルームに消えていった。 結局、昨日も匠はすぐに眠ってしまった。 ぎくしゃくした空気が流れる中、匠を送り出すと私も仕事に行く準備をして家を出る。
気持ちが沈んでいると、毎日見ている景色が淀んで見えるから不思議だ。 赤信号で引っかかるだけで憂鬱な気分になる。私は溜め息をつくと、青に変わった横断歩道を渡った。
『気付きの瞬間』
私はいてもたってもいられなくて、その夜、再び麗子さんの元を訪れていた。
「インナーボールでいくらケアをしても、彼が応じてくれないんなら意味がないなって思って……」
相談というよりも愚痴に近い私の話を麗子さんはただ静かに聞いてくれる。
そして、しばし間を置いて口を開いた。
「彼がどうしてエッチに積極的にならないか、その理由を考えたことはあるかしら?」
「それは……」
何かを言おうとして、けれど、その先に続く言葉を私は何も思いつくことが出来なかった。
そうだ。
私は何も考えていなかったのだ。
彼のことを一度だって、彼の立場になって考えていなかった。
私、匠とちゃんと向き合えていなかったのかもしれない――。
「おかえり」
私は匠が帰ってくると笑顔で彼を迎えた。
「ただいま」
匠は今日も疲れた様子で鞄を床に置く。
匠がエッチに消極的なのは仕事で疲れているのが原因なのかな……。
だったら……。
私の脳裏に一つの案が浮かんだ。
「先に寝てていいからね」
匠はそう言うと、バスルームに消えていく。私はその後ろ姿を黙ったまま見送ると、寝室へ行った。
『出来ることから』
しばらくすると、お風呂からあがった匠が寝室にやって来た。
「あれ? 寝てなかったの?」
「うん。あのさ……」
「なに?」
匠は面倒くさそうに返事をする。
「疲れてるでしょ? だから、マッサージしてあげたいなって思って」
「えっ?」
「嫌かな……」
「そんなことないよ! すっごく嬉しい」
久しぶりに匠の笑顔を見た気がした。
匠に気持ち良くなってほしいって思っていたはずなのに、私は自分の悩みを解決することに一生懸命になっていただけで、匠のことを見ていなかったんだと痛感する。
「どうすればいい?」
「そのまま、ベッドにうつ伏せになって」
匠は上半身裸のまま、ベッドにうつ伏せになった。
私は匠の身体に跨ると、肩から順に気持ちいい場所を押していく。
「そう言えばさ、付き合い始めの頃、麻子がよくこうやってマッサージしてくれたよね」
「そうだね。あの頃の匠もすごく仕事が忙しくって、疲れてそうだったから」
「最近、ろくにデートも出来てなくて、ごめん」
「え?」
「いやさ、折角、同棲してるのに、ただ一緒に住んでるだけになってるなって気になってて」
匠は私のことをちゃんと考えてくれていたんだ……。
『マッサージの後には』
「はい、おしまい!」
私は一通りマッサージを終えると、匠の隣ににごろんと横になった。
「麻子」
名前を呼ばれて、匠の方を見ると、彼の指が私の顎に触れ、彼の唇が私の唇に重なった。 匠からキスをしてくれたのは、何ヶ月振りだろう。
「ありがとう。気持ち良かった」
「良かった。最近、仕事で疲れてそうだったから」
「仕事が立て込んでてね。正直、あんまり余裕はないかな」
もっと早く気が付いてあげれば良かったな……。
私は申し訳なさそうにしている匠がなんだか可哀想に思えた。
きっと匠は匠でいっぱいいっぱいだったに違いない。
「あのさ、麻子」
「何?」
「もっと気持ち良いことしたいなって思ったんだけど……」
匠は恥ずかしそうに言うと、私の返事を待たずにリモコンで灯りを消した。
匠はキスをしながら、私の胸に手を伸ばす。いつも以上に彼の愛撫は激しい。
私は匠の愛撫を受け入れながら、身体の奥がじんわりと温かくなってくるのを感じていた。
「あっ……」
彼の指が突然侵入してきて、私は反射的に声を上げる。
「濡れてるね」
耳元で囁く彼に私は恥ずかしくて何も言えなかった。
襞を押しのけるように彼の指は奥へと侵入してくる。甘えた声が私の口からこぼれる度、匠は満足そうに微笑んだ。
「挿れるよ」
彼は私に自分を愛撫させることなく、すぐに自分のものを私の身体の中に沈めてきた。待ちきれないといった匠を見たのは、随分久しぶりだった。
匠はゆっくりとピストン運動を始める。
「なんかさ、麻子の中、いつもより締まりがいい気がする」
「本当?」
「うん……。すっごく気持ちいい」

匠はうっとりした表情で私を見下ろし、腰を振るスピードを速めた。
彼に貫かれながら、私は彼の背中に回した腕に力を込める。
「ごめん、イキそう……」
「イっていいよ」
私の言葉を合図にするかのように、彼は私の中で果てた。
匠は息を切らしながら、私の髪を撫で額にキスをする。
彼は私の身体から自分の身体の一部を引き抜くと、私の隣に横になった。
「おいで」
そう言って、匠は腕枕をしてくれる。
「同棲始めてからさ、同棲してるって安心感から、コミュニケーションが不足してた気がするんだ」
「私もそう思う。もっと匠のこと考えなきゃいけなかったね」
「それは俺も同じだよ。仕事が忙しいってただの言い訳だよな。仕事が忙しくたって、きちんとコミュニケーションを取ってる人たちだっているわけだし」
「今日ね、嬉しかった」
「俺もなんかいつもと違う感じがして、嬉しかったよ。すごく気持ち良かった」
「ふふ」
「何笑ってるの?」
「内緒!」
「あのさ、言いづらいんだけど……」
「何?」
「麻子、もう一回してもいい?」
その言葉に私は笑顔で応えた。
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あらすじ
匠のために、と麻子はインナーボールでトレーニングすることに決める。
麗子の言葉を信じ、意を決してインナーボールをあてがうと…