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官能小説 【小説版】タワーマンションの女たち 8話

切り出す勇気

最上階のバーには、心地良いジャズが静かに流れており、落ち着いた雰囲気が漂っていた。

お酒はあまり得意ではないので、ノンアルコールのドリンクを注文しようかと思ったけれど、シラフでセクシャルな悩みを相談出来るわけがない。私はカウンターに座ると、向かいにいる色っぽい女性にカシスオレンジを注文した。きっと、この人が麗子さんなのだろう。

しばらくすると、「カシスオレンジでございます」と彼女が私の前にグラスを置く。私はカシスオレンジを飲みながら、どうやって切り出すべきか考えていた。

いきなり、“身体の開発ってどうすればいいんですか?”と訊くのは不躾な気がするし、かと言って、回りくどい言い方をするのは時間の無駄のような気がする。

私が悩んでいると、女性は優しい眼差しを私に向けて口を開いた。

「麗子と申します」

麗子さんは細い指で名刺を差し出す。私はそれを受け取ると、一文字ずつ文字を追っていく。切り出し方がわからない私は、そうすることで時間を稼いでいるのかもしれない。

「今宵は何をお望みでしょうか?」

問われても、考えがまとまっていないので、麗子さんの視線を受け止めるだけで精一杯だった。

「伝え方に迷っているのかしら?」

「え……」

「ここにいらっしゃるお客様は、セクシャルな悩みを抱えている方が多いの。でも、その悩みを口にするのを躊躇われたり、的確に伝えるにはどうすればいいか悩まれたり……。でも、それも当然のことだわ。だって、初対面の相手に自分のセクシャルな悩みを伝えるのは勇気がいることだもの。中には、自分のことを知らないからこそ言いやすいという方もいらっしゃるけれどね」

麗子さんは口角を少し上げ、微笑むように私を見た。

「あの……、私、なんて伝えたらいいのかよくわからなくて……」

「まずはあなたの置かれている状況を教えて」

「年の離れた夫と二人暮らしをしています。夫は優しくて、仲も良いので夫婦生活にはなんの不満もありません。でも……」

「セクシャルな悩みはあるのね」

「はい……」

私は俯き加減で答える。

「そのセクシャルな悩みは身体のことかしら? それとも、セックスのことかしら?」

「……そのどちらにも当てはまると思います。私、イッたことがなくって……」

私は麗子さんに促される形で悩みを口にすることが出来た。

「セックスでエクスタシーを感じたいなら、自分の気持ちいいところを自分で知る必要があるわね」

自分の気持ちいいところ……。

綴昭さんに触れられる部分はどこも気持ちいい。そう考えると、私はすでにイク為の条件を一つは満たしているのかもしれない。

「夫に触れられるところはどこも気持ちいいんですけど……」

「それはとてもいいことだわ。ただその気持ちいいところがもっと気持ち良くなるとしたら、どうかしら?」

「もっと気持ち良くなることなんてあるんですか?」

「ええ。エクスタシーは気持ち良さの延長線上にあるのよ」

「延長線上……」

わかるようなわからないような、そんな気分だった。

「女性がエクスタシーを感じる方法には、中イキと外イキの二つがあるの。どちらも感じやすさは人によって違うから、まずは試してみることが大切ね」

個人差があるんだ……。

今まで一度もイったことがないけど、イケるようになるのかな……。

エクスタシーを求めてネグリジェを着る女性

「そんなに難しい顔をしなくても大丈夫よ」

麗子さんはふふっと笑って、私を見た。

「回数を重ねることでエクスタシーを感じやすくなっていくわ」

「私にも出来るでしょうか?」

「勿論よ。あなたに身体の開発にぴったりなものを差し上げるわね」

そう言って、麗子さんは黒い大きな棚の引き出しを開けると、水色の少し細長い箱を取り出した。

マリンビーンズよ」

麗子さんに差し出された箱の上部は透明になっていて、中には見慣れないものが入っていた。

「これは……」

私は受け取りながら質問する。

「いわゆるバイブね。このマリンビーンズのすごいところは、身体の開発を二ヶ所同時に出来るところなの」

「それって、外イキも中イキも出来るようになるっていうことですか?」

「簡単に言うと、そういうことね。細長い部分は膣の中に挿入するのだけれど、手前に突起のような部分があるでしょう? この部分も振動するから、挿入しながらクリトリスを刺激することが出来るのよ」

「すごいですね……」

私はまじまじとマリンビーンズを見る。

「これであなたがもっと気持ちよくなる部分を探してみてね」

「はい……!ありがとうございます!」

私は麗子さんにお礼を言うと、会計をしてバーを後にした。

開発スタート

私は帰宅するとすぐにマリンビーンズに付属している電池を入れ、まずは細長い部分のスイッチを入れてみた。マリンビーンズはゆっくりとくねくね動く。触れてみると、優しい感触が手に伝わってきた。

自分で挿入するのは少し抵抗があったけれど、これなら入れられそう……。

次にクリトリスを刺激するバイブ部分のスイッチを入れてみた。先端に触れると、思いもよらない速い振動が伝わってくる。けれど、素材がぷにぷにしているからか、痛みを感じるような刺激ではなかった。

私はマリンビーンズにコンドームを取り付け、その周りにローションをたっぷりと塗る。

深呼吸をすると、私は自分の膣にマリンビーンズをあてがった。

初めての外イキ

どこが気持ちいいのかはわかっているつもりだった。

しかし、私は自分の身体のことをちっともわかっていなかったらしい。

というよりも、マリンビーンズを使ってみることで、より深く知ることが出来たと言った方が正しいかもしれない。

マリンビーンズは膣の中でゆっくりと動きながら、先端部分は細かな振動を繰り返す。気持ち良さは感じるものの、エクスタシーを感じるところまではいかなかった。ラブグッズを使ったからと言って、すぐにイケるわけではないというのが中イキの難しいところなのだろう。

私は一度スイッチをオフにすると、小さなバイブ部分をクリトリスに当たるようにセットした。そして、スイッチをオンにする。

速い振動が当たった瞬間、不思議な感覚が私の身体を駆け巡った。

「何これ……」

思わず、私はスイッチをオフにする。

「これを続けたら、イケたりして……」

私はもう一度スイッチをオンにした。

すると、速い振動があっという間に私を今まで感じたことのない快感へと誘(いざな)った。

マリンビーンズのスイッチをオフにし、身体から引き抜くとまだ膣は軽くヒクつき続けている。けれど、しばらくするとそれも自然とおさまった。

これがイクってこと……?

私は自分の身体に訪れた経験したことのない気持良さに呆然とする。

外イキは自分が思っていたよりも簡単に私にやってきた。

これなら、中イキも出来るようになるんじゃ……。

マリンビーンズを使いながら、自分の身体のどこが一番感じるのかを探していけば、綴昭さんとのセックスでイケるようになるかもしれない。

私は嬉しくて、思わず一人で笑みをこぼしていた。

身体の開発、頑張ってみよう……!

あらすじ

最上階のバーで麗子にセクシャルな悩みを相談する主人公。マリンビーンズというグッズを知り…。

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