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官能小説 【小説版】タワーマンションの女たち 4話
消えないニオイ
部屋の電気を暗くしたって、ニオイは消えない……。
私は自分のデリケートゾーンのニオイが気になって、エッチに集中出来ずにいた。両親に買ってもらったタワーマンションには、編集者をしている彼氏の翔太が週の半分近くやってくる。彼の勤めている出版社に近いこともあって、半同棲のような状況だ。
大学院生の私は研究があるものの、翔太よりも明らかに時間を持て余している。だから、彼が来るとなれば料理をし、彼の着替えを洗濯して、次に来る時までに綺麗に畳んでおく。
そして、夜は決まってエッチをすることになっていた。
「ねぇ、脚開いて」
翔太は私の脚を開かせようとする。
だけど、私は開きたくない。
開いたらニオってしまいそうだ。
これはとんでもなく切実な問題なのだけれど、翔太に言えないところが歯がゆい。
「瑠々、聞いてる?」
「う、うん……。それよりさ、翔太の舐めてあげる!」
「え? 俺は後でいいよ。先に瑠々のを……」
「遠慮しなくていいってば!」
私は半ば強引に身体を起こした。
こうする外はない。
翔太が私の脚の間に顔を埋(うず)めたらと考えただけでぞっとする。実際、自分のニオイがどの程度のものであるかはわからない。だって、人と比べたことなんてないんだもの。
だいたいの女性のセクシャルな悩みはここにある。
身長だって、体型だって、顔だって、声だって、なんだって、他人の状態を知ることで、自分が逸脱していないと知り、安心を得られるのだ。だけど、セクシャルな問題だけは確認のしようがない。
胸の大きさ一つとったって、パッドや盛りブラで本当の胸の大きさなんて、女性同士でだってわかりはしないわけで、安心を得ることは難しい。
折角、翔太とエッチをしているというのに、心から楽しめない私はどうすればいいんだろう。
ニオイの問題さえなければ……!
私が悶々としていることに気付く素振りもなく、翔太は不服そうにベッドに横になる。
私はまだ小さいままの彼の大事な部分を口に含んだ。
舌で転がしていくと次第に大きくなっていく。
翔太がフェラだけで満足してくれればいいのになぁ……。
私はそんなことを思いながら、口の中でむくむくと大きくなるそれを舐め続けた。
気になるけれど……
私は自分で言うのもなんだけれど、傍から見たら確実にキラキラ女子だ。
お金持ちの家に生まれ、なに不自由なく育ち、それなりに容姿にも恵まれている。
大学院で研究をし、ファッション誌では読者モデルをやっていて、SNSのフォロワーだって、一般人の中では多い方だ。
だからと言って、何もかもが揃っているわけではない。
その証拠に私はデリケートゾーンのニオイで悩んでいる。
雑誌に読者モデルとして載っている私がこんなことで悩んでいるなんて、きっと誰も思っていないだろう。
だけど、もうずっと悩んでいる。
ニオイは一度気にし出したら、キリがない。
すっごく臭いような気もするし、これが普通だと言われればそうなのかな、とも思わなくはない。
だけど、言えない。
友達にこんなことを相談出来るわけがない。
ましてや、お互いのニオイの確認なんて出来るはずもないし、結局、話して恥ずかしくなって後悔して終わりだ。
そう考えると、八方塞だ。
でも、翔太は今日もうちに来るらしい。
そろそろ、雑誌の校了日らしく、かなり忙しそうだ。
忙しいなら疲れてそのまま寝てくれればいいのに、翔太の場合、疲れていても性欲が勝つらしく、寝ずに必ず求めてくる。
セックスレスになるよりマシだとは思うけれど、ニオイが気になる私にはちょっとストレスだ。
――翔太には絶対にそんなこと言えないけど。
エッチの前には
二人で食事を終えて、私は食器を洗っていた。
「まだかかりそう?」
翔太は私を背後から抱きしめてくる。少しだけ、食器を洗う手を止め、首をうんと後ろに伸ばして彼を見た。
「あと少しで終わるよ」
「じゃあ、待ってる」
「うん」
待っているということは、エッチをしようということだ。
なんとしてでも、エッチをする前にシャワーを浴びなくてはいけない。私がエッチの前に死守することは、シャワーを浴びることそれだけだ。
食器を洗い終えると、私は急いでシャワーを浴びた。
勿論、デリケートゾーンは念入りに洗う。
そして、しれっとした顔で私は翔太の待つベッドに潜り込んだ。
「いつ見ても、このベッドすごいよな」
「そう?」
「だって、天蓋はついてるし、シーツはレースがひらひらしてるし」
「こういうの姫ベッドって言うんだよ」
「それじゃあ、瑠々はお姫様なんだ?」
「うーん、翔太にとってはお姫様かな?」
私が笑いながら言うと、翔太は「そうだね」と言って、私の頬にキスをする。
これがエッチの始まりの合図だった。
翔太のエッチは優しい。
それはまるでお姫様扱いそのもののように思えた。私がどうすれば気持ち良くなれるのかちゃんと考えてくれていることがよくわかる。
だからこそ、余計にニオイで翔太を不快にしてしまっていないか気になるのだ。
「瑠々、今日は脚開いて」
「でも……」
「恥ずかしいの?」
「翔太とのエッチは全部が恥ずかしいよ」
「いつもしてるのに?」
「好きな人に裸を見られるのは、回数を重ねても恥ずかしいよ」
「瑠々のそういうところ、可愛いよね」
翔太ははにかむと、私の髪にキスをして、そっと秘部に指を差し入れてきた。
翔太のキスが繰り返される度、じんわりと身体の奥が温かくなっていく。
私が抵抗を感じるのは、クンニの時だけではなかった。こうして指を差し入れられる時も、彼にニオイが届いてしまうのではないかという不安に駆られてしまう。
このまま、エッチをし続けることって苦痛でしかないかもしれない。それでも、翔太のことを好きだから受け入れ続けたいという気持ちと、ニオイが気になって仕方がないという気持ちが入り混じって、私はどうしたら良いのかわらないまま、彼のもたらす快感に声を上げ続けていた。
ケンカをしたいわけじゃない
「だからいいってば」
私はつい声を荒げてしまった。
翔太から繰り返し脚を開いてほしいと言われたからだった。
しまった、と思った時にはもう遅い。自分の口から飛び出した言葉が鋭さを持って、翔太の耳に届いたかと思うといたたまれない気持ちになった。
どうしよう。
そう思うばかりで、なんといってフォローすればいいのかわからなかった。
「あのさ、前々から思ってたんだけど、瑠々って俺とエッチするの嫌?」
「え?」
予想外の翔太の発言に私は耳を疑った。
「翔太とするのが嫌なわけはないでしょ?」
私は嘘はついていない。
翔太とするのが嫌なわけではないのだ。
翔太にニオイに気付かれ、不快な思いをされるのが嫌なのだ。
「じゃあ、どうして拒否るわけ?」
「それは……」
翔太に質問され、私は言葉に詰まる。
デリケートゾーンのニオイが気になるの――本当のことを言えば、きっと楽になるだろう。
だけど、翔太に本当のことを言ってしまったら、優しい彼はきっとニオイがきついと思っても我慢してしまう。それでは意味がないし、私だって、この先もずっとニオイを気にし続けなければならない。
なんの解決にもならないのだ。
「答えないってことは、拒否る理由があるってことだよな?」
「……」
「いいよ。したくないなら、したくないって言えばいいじゃん」
そう言って、彼はごろんと私に背を向けるようにベッドに横になってしまった。

違う。
ケンカをしたいわけじゃない。
私は翔太に何をどう伝えればいいのかわからないまま、ただ彼の背中を見つめることしか出来なかった。
【NEXT】⇒翔太との気持ちのすれ違いから喧嘩をしてしまい…(【小説版】タワーマンションの女たち 5話)
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あらすじ
瑠々は大学院で研究をし、ファッション誌では読者モデルで家はお金持ちのキラキラ女子。
完璧そうにみえた瑠々だが、デリケートゾーンの臭いが気になっていて、彼とのエッチが…。〜無料の読切小説・官能小説はLCスタイルでチェック!〜