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恋愛とセックスのかけ算/24歳 ミカの場合
紹介
スクリーンにエンドロールが流れている。感動的な映画だった。DVDではなくて映画館の大画面で観るからこその迫力、いい映画だった。場内が明るくなり昌晴の顔を見ると、涙の筋がついている。目が赤い。
「昌晴、泣いてた?」
ミカは昌晴の方をつっついてクスっと笑った。
「ミカ、あのラストシーン泣けなかったのかー?おまえ、感情薄いよー」
照れたように昌晴が目をこすった。
「すっごく感動したよ。涙あふれたし」
「薄情オンナーー!ミカ、泣いてないし」
二人はいつもふざけあっている。はたから見ると猫がじゃれあっているかのようにこづきあったり、身体をぶつけあったりしている。
昌晴はミカには口が悪いが、愛情溢れるいじめ方だ。照れ屋だから裏目の行動をとる。子供みたいな昌晴の性格がミカは好きだった。
昌晴は男友達との付き合いを大事にしていて、よく格闘技の観戦やロードバイクで遊んだりしている。木曜の夜、ミカにメールが届いた。
『吉祥寺で友達と飲み中。ミカ、職場近いから来ないか?』
ミカは吉祥寺のドラッグストアで働いている。木曜は早く帰れるシフトだ。
『いいよ!でも給料日前だから高い店だと無理。』
『まかせろ。全品290円!』
大衆居酒屋は学生風の客で満席だった。店のあちこちから「もっと飲め!」という部活飲みの声があがっている。昌晴達は運良く個室で飲んでいた。個室と言っても薄い戸一枚で仕切られているだけで天井部分はスカスカにあいている。隣りの合コン会話が筒抜けで聞こえていた。
「おう!ミカ、お疲れ。ミカの薬屋さん、女子客でいつもいっぱいだよな。今度、俺も洗顔石けん買いに行くよ。女子客狙いだ」
また昌晴がかわいい悪態をつき始めた。
「友達紹介タイムー。こいつらは格闘技好き仲間の祐也と、ゴン。ゴンは名前は義之なんだけど狐目でゴンギツネっていうあだ名だったからゴン。ゴンは彼女持ち。祐也は独りもん。」
「はじめまして、ミカです。この近くのアサガオドラッグで働いています」
祐也とゴンは昌晴の話によく出てくる名前だった。
狐目のゴンが「ミカちゃんビール?それともサワー?」と尋ねてきた。
祐也が「じゃあ、ミカちゃんが何を頼むか当ててみよう」と言った。
「そんなのオレ、勝利じゃん。ミカはディタオレンジ。いっつもそれ。」
ゴンは「いや、今日は暑いからビールって気分だと思うよん」とはさんだ。
祐也は自信たっぷりに「いやいや、今日の気分は梅酒の炭酸割り。仕事でムカツクことがあって、さっぱり洗い流したい。ちょい酸っぱくてスカっとした飲み物がいいって」ミカはその言葉に引っ張られた。
「うん、それ!」
「おいおいおい、ミカ、カレシの俺を裏切るのかよう」
眉をわざとハの字にして、昌晴が泣きまねで場を笑わせた。祐也とミカは目線がぶつかって笑い合った。
熱い頬
居酒屋で終電まで盛り上がった。
格闘技と自転車の話になると、とたんにミカは参加できなくなる。
昌晴が格闘技の決めポーズで笑いをとっている時に、隣りにいた祐也が「これはね、こういうこと」といちいち解説してくれた。
おかげでひとりでポツンというふうにならずに楽しむことができた。
昌晴はあいかわらずマイペースで時折ミカをいじめにかかるが、ミカは笑って「昌晴のアホ!うちらよく1年ももってるよねー」と返した。
次回はゴンの彼女も誘って5人飲みしようということになった。
二日後、FB経由でメッセージが届いた。祐也からだった。昌晴の友達欄から見つけたようだ。
『ミカちゃん、ヘアムース欲しいんだけどおすすめある?』
ミカは返信をした。
『新発売のあるよ。祐也くん、短髪だから、ハードでカチコチにしたほうがかっこいいと思う。長持ちするムースとジェル、セットで使ってみて。商品名は○△』
『おっしゃ!じゃあ、会社帰りに吉祥寺で下車してアサガオドラッグに買いに行く』
このときは昌晴のことは何も気にならなかった。昌晴の友達だから親切にした方がいいだろうと思った。居酒屋でもやさしかったし、祐也のことを気に入っていた。
店で、棚に新商品を積む作業をしていると背中からほかの客に聞こえないような小さな声がした。
「コンニチハ。ムース、欲しいんですけど」
ミカは振り向いて少し驚いた。祐也が光の中に立っているスターように見えた。祐也のスーツ姿はミカの目に新鮮に飛び込んできた。居酒屋ではシャツのボタンをはずしてくだけた格好をしていたので、ラフな印象しかなかった。
「うわ、びっくりした。あっと…、いらっしゃいませ。お客様、お探しの商品はこちらの棚です」
ミカはなぜか頬が熱くなってきた。
顔が赤くなっていたら恥ずかしいと思って、祐也から眼をそらした。ムースとジェルと、ついでにクール目薬の会計をレジで済ませ、祐也がまた棚のほうに駆け寄って小声で耳打ちした。
「駅前のカフェでパソコン作業してるから、帰りがけに寄って!コーヒーごちする」
ミカの耳たぶに熱い息がかかった。あきらかにミカの心臓がばくつきはじめた。
「どうしよう、昌晴におこられちゃうかな…」
女心
ミカが昼休みによく行くチェーン店の珈琲屋、ランチ時は会社員でいっぱいだがこの時間帯、客はまばらだ。壁一面にパリの街角のイラストと、意味はわからないけれどフランス語が踊っていて、それを見ているだけで仕事のことを忘れることができる。
店の奥のソファ席に座ってノートパソコンをいじっていた祐也がミカに気づいて手をふった。
「おつかれー!ね、さっきこれ買ったあと、トイレで髪の毛につけてみたんだけどどう?いい感じ?」
祐也の髪の毛のてっぺんがツンツン立っていてキメ髪になっている。ミカは固まっている毛先を思わず指でつまんだ。
「うん、いい感じ。祐也くん、ジェルのCMモデルになれるよ。かっこいい」
しばらくカフェオレを飲みながら雑談をした。昌晴の顔がちらついたが、祐也は整髪剤を買いに来ただけだから見つかってもだいじょうぶと自分に言い聞かせた。
「ミカちゃん」
祐也がミカの顔を覗き込むようにゆっくり名前を呼んだ。ミカはさっき店で熱い息を感じたことを思い起こした。
「え?」
「この前、ミカちゃんが頼むドリンク当てっこしたときさ、梅酒炭酸割り、あれ、ミカちゃんがわざと俺に合わせてくれただろ。わかっちゃったんだよ。俺。ミカちゃん、昌晴より俺の方がタイプだってこと」
強引な言い方だった。
ツンと立った髪を親指と人差し指でいじりながら真剣な顔つきでじっとミカの目を見つめている。ミカは見つめられて動けない。腕が重くなり、どう答えていいかすらわからなかった。
昌晴ならマジ顔をしたあと、すぐに「なんちゃって、デヘヘ」とタコのマネをして身体をくねらせ、ふざけたポーズをとる。祐也の視線はずっとミカの目を射抜いたまま動かさない。昌晴とは態度が全然違う。ミカはとまどった。
「あの、喉かわいた」
やっとのことで声を出した。
「決まり。じゃあ、行こう」
「え、どこへ?」
「梅酒の炭酸割り、コンビニで買ってホテルで飲もう」
ミカは益々身体が硬直した。首がピンと張って目をそらすことができない。
「あり得ないでしょう…」
「ミカちゃんは、今夜は僕のものだ。明日、店が定休日なの知ってるよ」
この前、居酒屋で定休日を聞かれたことを思い出した。祐也はわざと今日、買い物に来たのだ。
「な、今夜だけ、ぼくのミカちゃん。ミカちゃん、かわいいし、好みなんだよ。キスしたい」
「僕のミカちゃん、キスしたい」
この言葉がミカの女心にズンと突き刺さった。
昌晴は絶対こんなことばを使わない。恥ずかしがりだからだろうが、ミカはこんなストレートな言葉を一度言われてみたかった。
彼氏の友達に抱かれて
祐也は始めて会うタイプの男だった。ミカは昌晴のようなお笑い系のいつも笑わせてくれる男が好きなはずなのに、会って二回目の祐也にこんなに惹かれている。
「私、友達のカノジョだよ。祐也くんこんなことしていいの?」
やっとのことで反論した。反論というより質問したような弱々しい声で。
「ああ、昌晴だって、自転車レース見に来てた女の子、飲みに誘ってたよ。お互い大人なんだからいろいろ経験した方がいいだろ」
「そんなこと知らなかった…」
テーブルの上に開いたパソコン画面で『空き室あり!当日予約OK』という太い文字が点滅していた。祐也がダブルルームをクリックして、ミカの腕首をつかんだ。
屈託ない笑顔に、うしろめたい気持ちは微塵も感じられない。ミカは祐也のあとをついてカフェを出た。
ビジネスホテルは狭くて殺風景だが、窓から夜景が見えてそれなりにおしゃれな雰囲気を出している。白いシーツの上に深紅のクッションが2つ置いてある。
そのひとつに背中をもたれるように座り、祐也は缶ビールをあけた。ミカに梅酒サワー缶をすすめて、乾杯のポーズをした。
ミカもおずおずとベッドの上に座り、梅酒サワーをすすった。半分あけた頃、頬がほてり、さっきまでちらついていた昌晴の顔が見えなくなって来た。
「キスしていい?」
祐也が座ったままミカを抱き寄せ、ミカの返事を待たずに唇を舌でこじあけた。ミカは最初緊張して歯を食いしばったが、祐也の舌があまりにやわらかく心地よいので歯の間に招き入れた。
祐也はキスをしながらミカの胸をまさぐった。カシュクールのカットソーの襟ぐりの部分から手を荒々しく差し入れた。ブラジャーの中に指を入れると、ミカの突起物は硬くなっていた。
また耳元で祐也が囁く。
「コリコリになってるよ。ミカちゃんのカラダ、エッチだな」
高ぶる身体
そんな恥ずかしい言葉をかけられたのは始めてだ。ミカは耳まで熱くなった。祐也はその耳たぶを噛みながら言った。
「おっぱいがこんなになってるってことは、スカートの下はどうなってんだ」
大きな手のひらがスカートの上からミカのヒップを撫で回す。クッションを背にすわったままミカを自分の前に対面で座る形にさせた。
ミカは足を開いて祐也の上にしゃがむ姿勢になった。今度は両手でミカのヒップを左右に開く。
「あっ、やめて…」
「こうやってまわりの筋肉をほぐすと快感が高まるんだ」
昌晴はこんなふうにお尻を割ったりしない。きわめてノーマルなセックスだ。昌晴のセックスが脳裏をよぎる。
ヒップが開くと同時に会陰も開く。ミカは下着が濡れているのをはっきり感じた。座ったまま祐也の首に両手を巻き付けた。髪の毛がジェルで立ったままで祐也はかっこよかった。
ヒップを撫でたり開いたりを繰り返し、両手で乳房を持ち上げるようつかんだ。衣服の上からもてあそばれるもどかしい感覚が、しばらく続く。突然ミカの頭の中でヒューズが切れた。
「祐也くん、はやく、脱がせて」
「ほら、やっぱり、ミカちゃんのほうから僕を欲しがってる。予想通りだ。ミカちゃんは最初会った日から僕に抱かれたかったんだ」
祐也は笑みを浮かべてカシュクールを脱がせ、ブラジャーをはずした。慣れた手つきだ。
「コリコリのおっぱい、舐めてやるよ」
祐也が乳首を口に含んだ瞬間、ミカは大きな声をあげた。
「ああ、ああ、いい」
「いいだろ、エッチなミカちゃん」
歯形がつくくらい硬くなった突起を強く噛んだ。ミカは振えた。スカートも下着もつけたままだが、蜜のような液体が漏れ出して祐也の太ももが湿っている。
「俺も脱ぐよ」
祐也は全裸になり、上半身裸のミカをベッドに仰向けに寝かせた。ミカの息は荒く、身体は全開だった。
「これも脱がせて」
ミカはスカートをつまんで頼んだ。
「いや、スカートははいたままにしておいて。そのほうが萌える」
祐也がミカにかぶさって、脇の下と乳房を舐め回した。
「ああ、もうだめ、脇の下、苦手よ。はやく、スカート脱がせて」
「そろそろ触ってやるよ、ミカちゃんのずぶぬれのアソコ」
スカートの裾から手を入れ、下着を脱がさないまま祐也はそこに指を這わせた。
「直接、直接触って…」
「やけにねだるんだな」
下着の股の部分を横にひっぱり、あらわになった陰部に指を強く押し付けた。クチュという音がミカの耳に届く。
「濡れてる、すごく濡れてる」
ミカは自分で状況を言葉にした。昌晴とするときはこんな卑猥な言葉はお互いに言わない。たしかに今夜のミカのヒューズは切れていた。
後悔

スカートを脱がさないまま、祐也は下着を一気に足首までずり降ろした。右足首に下着をひっかけたままミカの足はブイの字に開かれ祐也の肩に置かれた。
「やだ、こんなの、見えちゃう」
「どこが見えるって?」
「…」
「言って。どこが見える?」
「私の、アソコが」
「よく見えるよ、ヌルヌルしてる」
「やめてってば」
ミカはキュッと太ももを閉じようとしたが、祐也が力一杯ブイの字を開いた。
「やだっやだっ」
「うわあ、ミカちゃんの中身、こうなってるんだあ。チューリップの花びらみたいだぞう」
祐也は徹底的に言葉で説明しながらミカを攻める。それを聞くとミカは次に進みたくなる。普段おとなしいセックスしかしないミカは自分の淫らさに驚いた。
祐也がブイの字の先端に入って来た。足の甲をそらしながらミカはもだえた。
「いい。すっごく…」
「昌晴より?」
その言葉の背徳感がミカを襲う。
「…昌晴よりずっと気持ちいい」
ミカは自分のスカートをクシャっと握った。どこかに力を入れなければ腰が空に浮き上がってしまいそうな快感が訪れたのだ。
「達しちゃう、もうだめ、どうにかなりそう」
スカートがちぎれるくらいミカの手に力が入った。背中も海老のように反りかえり、頭のてっぺんがベッドの柵に当たった。
祐也が目をギュっとつむって大きな声を出した。
「ハッシャ!」
ミカはその3秒後に達した。下腹部がピリピリ痙攣している。空に浮いた腰がベッドのシーツに沈み込む。静寂が戻ってきた
祐也が肩で息をしている。ミカのスカートはしわくちゃだ。しかも濡れたシミがついている。
「祐也くんって見かけに寄らずすごいんだね」
「ミカちゃんもさ。エッチだ」
ミカは翌日が定休日だから泊まってゆっくり眠りたかったが祐也は急いでシャワーを浴びて帰ろうとした。
「朝まで一緒にいようよ」
「見つかったらまずいだろ。こういういけないコトは暗いうちにチャチャっと終わって、明るくなったら知らんぷりするのが一番だ」
こういうことに慣れているような言い方にミカは首を傾げた。寂しい空気が流れた。昌晴に見つかれば激怒されて別れることになるかもしれない。ミカはとんでもないことをしてしまったという思いに襲われた。
どうしよう、昌晴に悪いことしちゃったんだ。昌晴が怒るところなど見たことがない。いつもお笑い系の昌晴はどんな怒り方をするのだろう。
ミカは一気に沈みこんでしまった。
明日からは
その週の土曜の夜、ミカは店の倉庫で在庫の確認作業をしていた。あれから3日、昌晴への申し訳ないという気持ちと祐也に会いたいと言う気持ちがせめぎあった。
息を飲んで祐也にメールをした。『どうしてる?』返信がない。昌晴からはいつものおふざけメールが頻繁に届く。胸が痛んだ。
「佐伯さん、お友達が迎えに来てるからもうあがっていいよ。残業おつかれさん」
倉庫の扉の方から店長が声をかけてくれた。
「お友達?祐也くん?」
エプロンをはずして店に行くと、昌晴が「ヨー」と手をふった。
胸がチクリとした。小さなとげが刺さったように。いま、自分はどんな顔をしているのだろう。「迎えに来るってメールくれればいいのに。まだ着替えてないよ」
「いきなり会いに来るのもいいもんだろ。感動した?」
「ばーか!」
あいかわらずの掛け合いに気持ちがゆるんだ。
その日、焼き鳥を食べたあと昌晴が誘ってきた。
「今日来るだろ、久しぶりじゃん」
ミカの手を握った。ビクっとした。
3日前にあんなことしたのに、今日は昌晴と同じようにしていいのか。一瞬黙り込んだ。断ると勘ぐられるかもしれない。今まで断ったことがないのだからと思い、ミカは顔をあげて笑顔で応じた。
「そうだね、久々にニャンコロリンで甘えちゃおうかな」
昌晴の動きはいつも一緒だ。キスしておっぱいをさわって、股間は濡れているかどうか確かめる程度ですぐにインサート。何回かピストン運動してミカが達したかどうかたしかめずに射精。
ミカはあまり達した経験がない。たまにブランコから飛び降りる感覚になる。それが達するということだと思っていた。
祐也の時はすごく気持ちがよかった。昌晴とのセックスとはまったく違う。腰が空に浮かび上がる感じ。あれこそ本当のオーガズムというものだろう。ミカの上でいつものように動く昌晴を見つめ、ミカはしらけてしまった。
昌晴が果てたあと、ミカは身体を拭き吹きながら祐也のことを考えていた。
「もう一度祐也に突かれたい。激しく突き上げられたい」
次の定休日の夜、ミカは祐也が会社帰りによく行くと言っていた定食屋を探し出した。
マルハチ食堂という看板。路地にある小さな店。サラリーマンがジャケットを脱いでくつろいで夕飯を食べている。店のおばちゃんと野球の話をしている客がいる。女性客はミカしかいない。
鮭フライ定食を頼んでゆっくり食べた。味はまったくわからない。祐也を待ってどうしようというのだという念におそわれた。
食べ終わっても祐也は現れない。あまり長居をするのも悪いと思い、会計を済ませて店の外に出た。十時を回っている。祐也はどこかに飲みにでも行ったのだろう。
ふーっとため息をついて商店街に続く道を歩き始めたとき、祐也が自動販売機の前に立っていた。
「ミカちゃん、なんでこんなとこに?」
「会いたかったから。祐也くん、メールくれないし」
祐也はペットボトルのお茶を一口飲んだ。
「悪いね、俺、今から同僚と約束あるんだよ。昌晴じゃないよ。」
「明日なら時間ある?」
「いや、明日は仕事で」
間髪入れず断られた。
「ミカちゃん、大人なんだから、あの夜限りってことで秘密の思い出にしとこうよ。昌晴にこんなとこ見られてもお互い困るだろ」
祐也はペットボトルのお茶を飲み干し、ポンと路地に投げ捨てた。
「何、それ?遊びだった?」
「ああ、ミカちゃんも遊んだだけだろ。ほかの男ともしてみたいっていう好奇心だろ。昌晴とどう違うのか知りたかったんじゃないか」
ミカは否定できなかった。本気で祐也とそうなったわけではない。昌晴のことが好きなのに。好奇心だった。だがあまりに気持ちいいセックスだったので身体が祐也を求めたのだ。
「そうだね。祐也くんの言うとおり。あの夜だけってことで」
祐也は嬉しそうに笑った。ほっとしたようだった。
「よかった。ミカちゃんの暴れ方、よかったよ。チューリップもぬるぬるで」
ミカはカァーっと熱くなって、その場を走り去った。電車に駈け乗り、声を押し殺して泣いた。
「バカだ、私バカだ。昌晴ごめんね」
昌晴は映画観てすぐ泣くようないい奴なのに、裏切ってしまった。ミカは自分の行動を責めた。涙があとからあとから溢れ出す。ティッシュが足りない。乗客に気づかれないように車両の接続部分に隠れるようにたたずんだ。
ひとしきり泣くと落ち着いてきた。あいた席に腰掛ける。電車の窓が蒸気で曇っていた。人差し指で小さく『ゴメン』と書いた。
明日から昌晴だけをおもいっきり大事にしよう。セックスもていねいに奉仕しよう、ミカは電車の中でずっと昌晴のことを考えていた。
END
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あらすじ
ミカは昌晴と付き合っている。ある日、昌晴の友人・祐也と飲み会で知り合った。
次の日、バイト先に祐也が来て、ストレートで強引な誘い文句を言われて好奇心から彼氏の友人と関係を持ったが…