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恋愛とセックスのかけ算/27歳 ケイコの場合
理想のカレシ
「理想のカレシを貸します」
そんな言葉が気になってケイコはリンクをたどった。
「現実では絶対現れないようなイケメンがあなたをやさしくスコート」
ピンクの太文字が点滅している。
2週間以内にレンタルできるカレシの欄で、さわやかにほほえんでいる春樹。
「まじで?こんな長身で美形な超イケメンとやれるの?いかせてくれるかな」
ケイコはスマホを顔に近づけて睨んだ。
電子レンジに入れていたコンビニ弁当があったまったようでピーピーとケイコを呼んでいる。
「弁当食ってる場合じゃないってー」
ピーピー音を無視して、ケイコはさらに春樹のプロフィール欄をスクロールした。
ケイコは男性向けアダルト雑誌のライターをしたり、動画の企画を手伝ったり、つまり「エッチな仕事」を生業にしている。男たちが自分の好みの女の写真や動画で、天国気分を味わうお手伝いだ。
ケイコはこの仕事が社会貢献だと思っている。男性がやりたい時に手軽に自分でできるための場作りだ。
どんなに忙しくても、もてなくてセックスする相手がいなくても、エッチな雑誌や動画があればひとりで完結できる。ストレスをためることがない。したい気持ちが抑えられずに犯罪に走る男をなくしている、そんな使命感に燃えていた。
ケイコ自身もセックスが大好きで、誘われたらとりあえずするというスタンスだ。仕事の打ち上げ会で同僚の男の子と寝るときもある。締め切り日に原稿を入れた開放感で、六本木の立ち飲みBARで声をかけてくるチャラ男とやることもある。
ケイコにとって、セックスはエクササイズだ。スポーツジムにはまっている女子たちが、アフターファイブにジムに立ち寄らずにはいられないように、ケイコは週4回のセックスのペースをくずせない。
しばらくセックスをしないと体調が悪くなる。腰が重く、気分が乗らない。活力がなくなるのだ。セックスと同期して生きている。でもそんなケイコには、重大な悩みがあった。
悩み
ケイコの最大の悩み、それは抱き合って気持ちよくしてくれて、挿入でちゃんといかせてくれる男性に巡り会えないことだ。挿入でいけないなんて女としてつまらないと感じている。
今まで付き合ったカレシで、満足するセックスをしてくれた男は一人もいない。公一もヒカルも幸夫もダメだった。映画を観たり、遊園地で遊ぶ分には楽しいけれどベッドではスカスカ。
中途半端にケイコの身体に火をつけ、蜜をにじませておいて自分だけ雲の上に行ってしまう。ケイコの胸の上で汗グッショリでハアハア息をきらす。肩甲骨に手を回し、しらけた声でケイコは言い放つ。
「なんでいかせてくんないの?私、おいてけぼりじゃんよ」
誰一人その問いに答えた男はいない。みんな照れ笑いか、「だってケイコが気持ちいいから先にいっちゃうんだよう」とか自分勝手な言い訳をするばかり。
半端にほてったケイコの内側を撫でてくれる男はいなかった。ケイコは次から次へと彼らをふった。
「なんで別れたいんだ?」
「あんたのエッチが全然気持ちよくないから」
いつもあっさり別れられる。セックスのことを非難された男は、非難する女を決して追わない。
ケイコは仕事柄、興奮をおぼえる割合が普通の女性より圧倒的に多い。男性読者がエッチな気持ちになるような企画を考えていると、自分の内側からジワリと蜜がにじみ出る。
お手伝いさんが掃除をしている時に後ろから乳房を揉む男。満員電車できれいなOLさんがスカートの下に手を入れられて感じている場面。キャバクラで人生相談を受けているうちにキャバ嬢にスーツを脱がされてゆく男。そんなエロチックな情事を考えていると右手がつい下着の中に吸い寄せられる。
ショーツのゴムをくぐってヘアを掻き分ける。ふたつに割れた桃の真ん中に中指だけを滑らせる。ツィーっと中指を入り口に持ってゆくと、指の関節が突起に当たる。
「ああっ……」
我慢できなくて膝を内側に寄せる。
背中の骨がキュっとしなる。顎が上を向く。息が浅くなる。指がジトっと濡れてくる。左手が左の乳房を包む。乳首を誰かに吸われたくなる。セーターの下に手を入れて直接乳首をさわる。コリコリに硬くなっている。
昇る
様々な妄想の海に溺れ、ケイコの鼓動は高鳴る。トクントクンという音がBGMのように聞こえる。中指すべてを奥に突き刺す。自分の中はすごい弾力。ぬめる壁に指の腹を這わせる。
クルクルと螺旋を描く。グイと押さえてみる。跳ね返る弾力を楽しむ。指の付け根から手のひらまでグッショリ濡れて来る。そしてまた突起で遊ぶ。左の乳首がますます硬くなる。
「誰か、入れて、入れて…」
誰も入れてはくれないが、そのじれったさがケイコをますます昇らせる。
「あがる、あがる」
ケイコは天井を向いて腰をそらす。椅子に座ったまま、ケイコは雲の上に行きそうになる。
そして最後の瞬間、中指の刺激では足りなくなる。3本の指で桃の中を掻き回す。桃の中はお祭りだ。いってしまうと、静かに息がおさまるのを待つ。雲の上から静かに降りて来ると、いつもケイコはため息をつく。
「ほんとのセックスよりひとりエッチの方が全然いい。これくらい気持ちいいエッチをしてくれる男はいないのかな」
蜜で濡れた手を洗面所で洗い流し、鏡を見るとすっきりした自分がいる。
「さあ、コンビニ弁当買いに行こうっと」
コンビニのエッチ雑誌売り場で自分が書いたルポが載っている雑誌を立ち読みしている男性を見つけた。ケイコはうれしくなり、つい声をかけてしまった。
「あのう、そのルポおもしろいですか?私が取材したんですよ」
驚いたように振り向いた男性は30代後半に見える。容姿が整った男性だった。
「あ、じゃあ買います」
あわててレジにその雑誌を持ってゆき、男は急いで店を出た。ケイコがキーマカレー弁当を買って外に出ると彼が立って待っていた。
初めての夜
彼は雑誌を丸めて手に持っていた。
「あの、びっくりしました。いきなり声かけられたんで」
ケイコは笑った。
「そうですよねー。エロ雑誌読んでる男の人に声かけるなんて、私もバカっすよねー。でも、お兄さんがまじめそうなサラリーマンって感じで意外だったんすよ。あんな雑誌読む人って、気弱でモテない学生か、ギラギラのおやじって想像してたから。こっちもびっくりでー」
男は白い歯を見せてニコっと笑った。たしかにエッチな雑誌を買うように思えないさわやかさだ。
「仕事の話、もっと聞きたいんですけど、そこの居酒屋行きませんか。そのお弁当は明日の朝、食べてください。メシおごりますから」
妙な縁で知り合った2人は居酒屋で盛り上がった。男の名は三代亮造。本当にまじめな会社のサラリーマンだった。携帯を教え合い、2度目のデートの約束をした。
六本木に最近できたベルギービールがおいしい店。小瓶を1本空けた頃には、二人は求め合っていた。テーブルの下でお互いの脚を触り合い、頬を紅潮させていた。ケイコの手を握り、三代が誘った。手のひらも熱を帯びている。
「行こう。抱かれたいだろ?」
ケイコは深くうなづいた。ビジネスホテルの狭いセミダブルのベッドの上で、三代は丁寧にケイコを触った。耳たぶを舐めながらヒップラインを撫でる。うなじを吸いながら桃に指を這わせる。
ケイコは最高に興奮した。同時に何カ所も性感をさわってくれる男なんて今までいなかった。気持ちよすぎてそれだけでいきそうだ。
「三代さん、すごい、いい…いい……、もういきそう」
「ケイコちゃん、反応がいいよ。ほら、ほら、指にまとわりつく」
三代がどこを触っているのかわからないくらいケイコは身体中で感じた。頭の中がグチャグチャだ。三代には手が8本あるんじゃないかと思うくらい、いろんな部分を愛してくれた。30代の大人の男は最高だとケイコは確信した。
祈り
空気を入れ続けてパンクしそうになっている風船のようにケイコの身体は臨海点に達していた。
「ああ、はやく、いかせて。雲の上に行きたい」
三代の指が桃の間にある突起をつかんで静かに右に捻った。やさしい力で。
瞬間、ケイコの中心を稲妻が走るように何かが突き抜けた。
「あうっ!」
ビショビショに濡れた三代の手をケイコは握りしめた。息がおさまる頃、三代が「そろそろ俺も」とケイコに入って来た。身体の準備は充分にととのっていたのでスルリと入ったがケイコはあまり気持ちよいと感じなかった。
上下に腰を動かし目を閉じて感じている三代の顔を冷静に見つめた。
「いいよ、ケイコちゃん、すごくいい」
熱い息を吐きながら三代の動きが速くなる。
「あ、ケイコちゃん、もう…」
三代の胸がケイコの胸に重なる。心臓がトクトク動くのがはっきりわかる。
三代がささやく。
「よかった?」
ケイコは一瞬、どう答えようか迷った。前戯でたっぷりいかせてもらったから感謝しなくてはと頭を切り替えた。
「うん、雲の上に連れて行ってもらった」
三代は嬉しそうにケイコの長い髪を撫でてくれた。
ホテルの部屋を出て、バイバイと手を振ったとき、ケイコは思った。自分は挿入だけではいくことができないのだと。三代くらい上手に愛撫してくれるといけるけれど、技術がない男たちだと全く気持ちよくない。ひとりエッチか、上手な愛撫でしか雲の上に昇れない。
ケイコはその後、三代と3ヵ月付き合った。三代の愛撫ですごく幸せな気持ちにはなるけれど挿入時にはしらけてしまう。感じていない自分の上で喜ぶ三代を見あげていて辛くなる。そんな自分に自信がなくなり、三代にも悪い気がして来た。それで3ヵ月でバイバイすることにしたのだ。
それからまた様々な男たちとゆきずりのセックスをしてはみたが、誰と試しても挿入ではいくことができない。こうなったら性のスペシャリストを探して、愛撫と挿入でいかせてもらおうと思い立った。
性のスペシャリスト、出張ホストならきっと挿入でいかせてくれるに違いない。様々な女性の身体を知ってるはずだから。ケイコはスマホで検索し始めた。果たして挿入でケイコをいかせてくるれる男性は見つかるのか。
イケメン俳優みたいな顔をした春樹というホストのプロフィールをじっと見つめながらケイコは期待に胸を膨らませた。
「三代さんみたいに愛撫が上手でその上、ガツっと挿入で私を雲の上に昇らせてくれますように」
ケイコは祈りながら申し込みボタンをクリックした。
END
あらすじ
主人公・ケイコは、男性向けアダルト雑誌のライターをしたり、動画の企画を手伝ったり、「エッチな仕事」を生業にしている。
ケイコ自身もセックスが大好きだけど、今まで付き合ったカレシで、満足するセックスをしてくれた男は一人もいないくて…