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官能小説 とろけるお風呂×とろける気持ち

予期せぬ来客

★作品について
この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した、「女性の為のHなラブコスメ小説コンテスト」のLC賞作品です。ドキドキの小説をお楽しみください。

「んふっ……ふふふふ」

ぽかぽかの浴室で一人笑う、怪しい女。
中臣貴音――私だ。

二十一歳、大学三年生。彼氏はいなくとも性に興味が湧いてくるお年頃である。
と言うか、この年にもなると周囲は結構経験しているし、私だって相手がいないから出来ないだけで、興味どころか実践できるだろう知識は蓄えている。……少なくとも、ムラムラする時は一人でする程度には。

そんな人間が先日、ネットでお風呂に入れるとローションのようになる入浴剤を見付けてしまったのだから、好奇心のままに購入してしまうのも、それが楽しみで笑みがこぼれてしまうのも仕方のない事だろう。多分。

「さーて、バスローションだなんて謳ってる効果はどんなものやら」

どぽぽぽぽ……。
ぐるぐる……。
……ぬとぉ。

引き上げたお湯が糸を引き、また顔がにやけてしまう。
とろみのある入浴剤なんかはいくつか使った事があるが、普通に保湿効果があるなぁってくらいの滑りで、本当にローションと言えるほど指に絡みついて、ゆっくりどろりと粘り気を主張して落ちていくものは初めてだ。

「うわぁ、何これ凄いっ……想像以上にぬるぬるしてる……!」

子供みたいに、何度も何度も掬い上げては落とし、掬い上げてては手に塗りつけて。無邪気に遊んでいるだけでも楽しい。
だけど、こんなどろどろの湯船の中で、胸を弄ったら?
あそこを弄ったら……?

「ま、まずは体を洗ってから、だよね……!」

逸る胸を抑えて自分に言い聞かせるも、体を洗っている間から、視線はどうしても湯船の方を向いていた。

「ふはー。気持ち良かったー」

結果として、お風呂から上がった頃にはすっかり満足していた。心身ともにとろとろになり、頭の中がふわふわしたまま部屋着を纏う。

……お湯を捨ててバスタブの掃除するのは、もう少ししてからにしようっと。
そう思いながらバスタオルを肩に掛け、水が滴らないよう脱衣室を出る。
と、一歩でピンポーンとチャイムが鳴り響いた。

「ん?」

「お邪魔しまーす」

入室の許可どころか応対すらしていないのに、玄関のドアがガチャッと開き、同時に耳慣れた男の声が聞こえる。

「って、恭真!?誰が入ってきていいって言った!」

「えー。メールしたじゃん。急に雨降っててびしょ濡れだから、お前ん家の風呂貸してって」

遠慮も何もなくずかずかと上がりこんできたのは、何も考えていないような単純な顔。髪だけはソフトモヒカンで爽やかな雰囲気にした、物心つかない時からの幼馴染みで腐れ縁、北倉恭真だった。

今は一人暮しで住んでいる場所も少し離れているが、実家はお隣さんで小中高は全部一緒。おまけに学部こそ違うけれど通っている大学までも同じときた。ここまで来るともはや親戚みたいなもので、親同士の信頼も厚く、何かあったらと私の与り知らぬところで恭真に鍵を渡している始末。

それも今のところは無用な心配となり、恭真の家よりも大学から近いこの家をただ便利に使われているだけであった。

「メール……あ、本当だ。お風呂入ってたから気が付かなかったんだよ」

「ん……お前、風呂入ってたのか。そういや髪濡れてるしな」

「そ、そうだけど……何か問題ある?」

別に、学校から帰ってきてお風呂に入っていたって、何もおかしくないよね。現に恭真だって家に入りたくて来た訳だし。
その恭真には、何故かじっと見られているけど。
平常心、平常心……。

「やっぱ風呂上がりは良い匂いがするなと思ってさ」

「なっ……」

脳内で唱えていた三文字は、ニカッと笑う恭真に簡単に崩された。
こいつ、中身は単純馬鹿だけど、笑顔はちょっと可愛いんだよね……。

「俺も入ってこよ」

動揺する私の横をひょいっと通り抜けて、恭真は真っ直ぐお風呂場へと向かっていく。
こ、こいつ、何にも気にしてない……!
今のドキドキ返してよ!

「全く、勝手なんだから。……ってあああ!恭真、ちょっと待ったあああ!」

まずいまずいまずい……!
話しててうっかり忘れていたけど、あのローション風呂、そのまんまだ!私はハッとしてから大慌てで恭真の後を追う。
そして勢いのまま、ガバッとドアを開いてしまった。

「きゃー、えっちー」

「ぎゃああああ!」

バタンッ!と棒読みの台詞を掻き消すように思い切りドアを閉める。
大丈夫、大事な部分は見ていないから。視界の端にぼんやりちらっと映ってだけだから。私の焦点は恭真の顔にあったから……!

「いや、その悲鳴はないでしょ。確かにお前は女だけど、見られたの俺なんですけど……?」

ドア越しには不満そうな恭真の声。
至極真っ当な意見である。セクハラで訴えられたら当然こっちの負けだ。しかし、今はそんな場合じゃない。相手は恭真だし、他人ん家のお風呂使おうとしてるんだから故意じゃないものは見逃して欲しい。

「そ、そうなんだけどさ。……じゃなくて恭真、今お風呂入っちゃ駄目!」

「何で?流石の俺も風邪引くよ。馬鹿は風邪引かないのは迷信なんだぞ」

「それは知ってるけど、と、とにかく駄目なの。すぐ掃除して沸かし直すから」

自然と早口になりながら、必死に訴えかける。
くうう……服さえ脱いでいなければ、胸ぐら引っ付かんででも止めるのに。

「ああ、掃除してないとかそういう系?そんなん気にする仲じゃねーじゃん」

しかし恭真は全く聞かない様子で、とうとう奥の方でガチャッとお風呂場のドアが開く音がした。
入れ替わりで脱衣室へと乗り込むが、そこから先はまた進む事ができない。

「ち、違うってば!そうじゃなくてお湯が……」

「お湯が……」

その単語を復唱して、恭真の言葉が止まる。
そして数秒間が空くと。

「……何これ。すっげぇぬるぬるネバネバしてんだけど」

「あ、あああああ」

幼なじみからの誘い

ばれた。

二十一年間一緒だった奴に、こんな変態行為が、バレてしまった。
母親にエロ本見付けられた男子の気持ちってこんな感じなのかなぁ、と口から出かかっている魂が妙に冷静に思考する。けれども恭真は、打ちひしがれた私に更なる追い討ちをかけるのだった。

「どういう事?」

「ひゃっ!?は、裸のまんま出てくるんじゃないよ!」

目の前のドアを開いて、あんなに私が必死に守っていた境界線を簡単に踏み越える。
その上、さっきの棒読み抗議とは違う真面目な顔で、じっとこちらを見つめて問いかけてきた。さっきのがノーカウントなら、十数年ぶりにはっきりと見た恭真の裸。引き締まっていて程よく筋肉がついたお腹にも、小さかったあの頃とは違う広い胸にもドキドキとしてしまう。

「俺入れたくないって、誰かとお楽しみした後だってわけ?」

「んな訳ないでしょ!学校から帰ってきてすぐ入ったし。大体、今も昔も彼氏なんていないわ!……言ってて凄く虚しい」

即座に返す大きな声に、その真剣な顔はへらりと安心した笑みに変わった。

「……だよな」

……だから、さぁ。
それ、何かずるくない?
普通可愛いとか、ズルイから許しちゃうとか、男が女に言うもんじゃないの。

大人しくなった私の様子に自分が優勢と見たのか、恭真はそのまま質問を投げかける。

「じゃ、どうしてあんな風になってんの?」

「う……それは、そういう入浴剤を入れたから……」

「だから何で?」

「だ……あ……いくらあんただからって、デリカシーなさすぎ!」

もういい加減に察してほしい。入れたかったから入れたんだよ!
……と答えたくても、それが恭真の求めている答えじゃない事はわかっている。
でも流石に、えっちな事に興味がありました、あんな物使って一人えっちしてました、なんて言えるか!

「一人でそういう事してたんだ」

「う……うるさい!来るタイミングが悪いのよ!」

可愛かった笑顔が、段々とニヤニヤした笑みに変わっていく。
気心知れた仲だからそういう下的なからかいもできるんだろうけど、そろそろ止め時ではないだろうか、恭真さんよ。私の顔は十分に真っ赤で、背中は冷や汗たらたらなのだから。

「いや、すげぇタイミング良かったわ。自分でもびっくりするぐらい」

「ちょっ……な、何してんの……その格好で近付かないでよ!」

ずいっと顔を近付けて、目と鼻の先までやってくる。

「興味あったんでしょ。するの」

そこから小さく囁かれると、おそらくは、気味の悪さに肌がぞわりと粟立った。

「……だ、だからって何でこうなんの」

何か恭真の恨みを買うような事したっけ、私。
それとも、本当は二十一年間嫌われていたとか。
人生で一番というほど頭をフル回転させて悩む私に、恭真はぽんと軽く言い放った。

「俺とすんの、嫌?」

「は?……はあ!?」

「二回も驚かなくても」

「だ、だだだ、だって何言ってるか、自分でわかってんの!?わ、私と、し、しようって、水遊びとかじゃないんだよね!」

「……うん、セックスしようって誘ってる」

「あああああ」

こいつ何言ってんの。こいつ何言ってんの!
躊躇いもなくあの四文字を言ってのけるなんて!
私は言葉も喋れなくなるほど混乱して、既に赤かった顔は熱湯に放り込まれたんじゃないかと思うほど熱を増す。そっと服越しに触れた恭真の手が、ひんやりとして心地良いと思ったくらいに。
だけどその手は、私を熱から助けようとしている訳ではない。裾を掴み、そのまま引き上げて肌を晒そうとしているのだ。

「嫌だったら言って。俺、嫌がってるのを無理にする趣味ないし。お前に嫌われんのは嫌だから、ちゃんと止める」

「な……」

ここから先も…

からかっているんじゃないか、という疑いと逃げ道が閉ざされる。
途中から、本当は私も薄々気付いていた。いや、淡い期待と言った方が正しいかもしれない。二十一年も一緒にいた恭真の事を嫌いなはずがない。けれど、だからこそまさかと思って。勝手に期待して、乗ったところで冗談でしたなんて言われたら恥ずかしくて、落ち込んでしまいそうで。

動けない私は恭真のなすがままに服も、そして下着さえも脱がされてしまった。

「とりあえず、全部脱げたな。本気で嫌だって拒否すんならここが最後だぞ」

きっとその言葉は嘘じゃない。今嫌だといったら、無かった事にしてくれるのだろう。
だけど、そうなったらもう一生無かった事になる。ふざけていたようで、誠実に向きあってくれている恭真。

お互いの事は殆どわかっていて、他の誰よりも信用出来て、誰よりもずっといた。
近くにいるのが居心地良くて……本当は、ずっと一緒にいたいって、こっそり思っていたんだ。
私だけなんだろうな、とも思っていたんだけど。その想いを何とか心から外へと絞り出す。

「……べ、別に、恭真となら、嫌じゃない」

「っ!……よし、来い!一緒に入んぞ」

嬉しそうにした恭真が私の手を取り、二度目の浴室へと引っ張りこむ。
ガチャリというドアの音が、ただの幼馴染にはもう戻れないと告げているようだった。

「お前は体もう洗っちゃったんだろ。だったら俺の体洗ってくれよ。待っててもらうだけなのも何だし、早く触れたいだろ」

「ば、馬っ鹿じゃないの!」

「俺始めから自分で、馬鹿でも風邪引くって認めてたじゃん……」

「やっぱり馬鹿!恭真の馬鹿!」

「はいはい」

悪口さえ軽く往なす恭真に少しムッとしながらも、シャワーをざっとかけてやる。次にべちょっと適当に取ったボディソープをタオルで泡立てて、硬い背にべしっ!と八つ当たりするように叩きつけた。……綺麗にはしてあげたいから、洗うのはきちんと丁寧にやってあげるけど。

大きな背中と筋肉質に、自分を洗う時よりもちょっとだけ力が入る。その所為か、タオル越しに恭真の体の感触が伝わってきた。それで無言のままというのも気まずいから、私は探るように恭真に訊ねる。

「き、恭真は、さ。経験とか、あるの?」

一応、今まで彼女がいるような素振りはなかったけれど。
大きくなるにつれ、どうしても一緒にいる時間は減っているから、いてもきっとわからない。

「あるよ」

「っ!」

や、やっぱりそうだよね。もう大学生なんだし。恭真、顔も性格も悪くないし。
……想定内の言葉のはずなのに、思ったよりもショックを受けている自分がいて情けない。

「って言っておきたいよなー、でもこれがないんだよな。残念ながら」

「きょーおーまぁー!」

背後にいる私の顔なんて見えていないのだろうけど、目を吊り上げて怒る。真面目人間になったと思ったらすぐこれだ。だから恭真は安心ならない。

……冗談で良かったって、少しほっとしてしまうけど。

「ずっと誰かさんに好きって言うタイミング窺ってたもんでね。あ、言っちゃった」

「……うぐぐ」

怒らせて、安心させてはどきっとさせる言葉をこぼして。一体何度心臓を跳ねさせれば気が済むのだろう。手のひらで踊らされているというか、もう私の心臓自体をころころ転がされているんじゃないかと思った。

「それで、こっから先も洗える?無理なら俺、自分でやろうか」

そう訊かれて、改めて状況を確認する。
話している内に後ろから背中や腕、胸は洗い終えていた。
残るは腹部と足。
……あそこに近い部分だけだ。

初めてソコに近付く事になるけれど、今更やめる気にもならない。無意識にごくっと唾を飲み込んで、私は小さく頷く。

「……やる」

「ん、じゃあお願い」

心臓がドクドク言うのを聞きながら、恭真の前に回る。
見ないようにしても、どうしてもそちらに意識が向く。しっかりと屹立(きつりつ)して主張している所為もあるだろう。恭真も私の視線に気付いていて、ほんのり頬を染めて笑っていた。

包み込まれるように

ローション風呂があるバスルーム

「そ、その、何て言うか、男の人のって本当に大きいんだね」

「そうか?もっと大きい奴もいるし、俺にとっては普通だからよくわかんないけど」

そっとお腹にタオルをあてて動かす。
ぐるぐると腹筋を撫でて、脇腹もしっかりと洗い、太股へと降りる。自然とあそこを避けて、まだ洗っていない部分を隅々までタオルで擦っていった。
けれど、最後にはソコが残るわけで。

「こ、ここってタオルで擦っていいの?」

「お前ん家のは柔らかいし、別に平気だけど。手でも嬉しい」

泡を取り、おそるおそる大事な部分を撫でる。
あまりにも臆病な手つきだったからか、恭真は上から自身の手を重ねて、私を誘導する。「お前の力ならもっと強く握って大丈夫だよ」と優しく教えられながら竿をしっかりと握ると、それが私の心臓と同じくビクンと跳ねた。

「あっ……」

「声あげんのは俺の方だと思うんですけど?」

「な、何かさっきもそんな状況だったね……」

「ああ。ナニしてても俺達あんま変わらないな」

お互いに小さく笑いながらも、行為は続く。緊張も少しだけ解れて細かい所も大切に、丁寧に洗っていくと、男の人のモノってこんな感じなんだ……と観察していたソレが段々と愛しく思えてきた。

時折私が触れているのが気持ちいいのかな、と面白がって不要な刺激を与えると反応してくれて、元々しっかりしていたモノがどんどん硬くなっていく。

(やっぱり、私がしてる事に反応してくれてるんだ……嬉しい、かも)

そして、私がもういいかな、と思い顔を上げた時。

「……そろそろ、ちょっとヤバい」

本当に余裕がなかったのだろう。そう告げるや否や、恭真は唇を奪った。
それも初めてだったって言うのに、舌を突き出して、私の舌を絡め取る深い深いキスで。

「んっ!……んぅ……ん……っはぁ」

ちゅう……ちゅっ、くちゅ……。

唾液が混ざる音がする。息をするのが苦しくなって、恭真の顔に熱い吐息をかける。
触れた胸からは、逸る鼓動がどくんどくんと伝わった。戸惑いは凄くある。知識としては十分にあったはずなのに、突然されると頭の中がぐしゃぐしゃになって、ただ同じ事を返すしかできない。
けれど、決して拒絶する気にはならなかった。どんなにわからない事でも、今はただ受け入れたいと思ってしまう。

短くて長い間、私達はお互いの体液を求め合って、唇が離れた後も唾液は糸のように繋がろうとしていた。

「はぁ……このままじゃ体冷えるな。続きは風呂の中で、しようか」

「……うん」

私は肩で呼吸して、とろんとした目で湯船を見つめる。
うん、と返事はしたものの、既にのぼせてしまったような心地の所為か勇気が出ない所為か、何だか足を踏み込めなくてその縁に寄りかかっていた。

その間に、シャワーで泡を洗い流した恭真がそこへどぷんと足を差し入れて、水面に映った恥ずかしそうな私達を隠す。

「ほら、貴音も来いよ」

安心感のある笑顔に、差し伸べられた大きな手。
それですっかりと躊躇いは消えて、私も同じお湯に入った。そのまま包みこまれるように恭真に抱き締められる。

「ん……」

触れあう肌の感触は温かく、全てが心地好かった。
とろとろの思考が、感覚が、とろとろでじんわりとしたお湯に溶かされていくみたいで。

「今の貴音、凄く可愛い顔してる……。もっといっぱい知らない貴音の事、知りたい」

馬鹿、と言う前に唇は唇で塞がれる。
再び舌を絡め合い、いやらしい音を浴室に響かせる。
その音が気分を昂らせ、私の手が自然と恭真の肩を抱くと、恭真も私を求めた。

恭真の手がそっと胸を這ってきて、背筋がぞくりとする。だけどもう、それが気味が悪い所為だとか自分を誤魔化す必要はない。
感じている。恭真に、感じさせられているんだ。

「んっ……」

鼻から抜けるような声が出て、体がふるふると小さく震えた。
すると今度は恭真が私の反応を面白がっているように、乳首を抓ったり、ちょっと強く揉んでみたりと弄ぶ。さっき私が反応を楽しんだ仕返しだろうか。いつもなら自分もやった癖に、そこで少し怒ってみせるものだけど。

今は、止めないでほしくて、何も言えない。
キスを交わしながらそんな愛撫を何度も繰り返されると、とうとうその大きな手が下腹部に下りていく。

水滴の音だけが響く

キスしながらセックスしている男女

「ここ、いい?」

やがて手は誰にも触れさせた事のない秘部の前まで辿り着き、恭真は優しく、可愛らしく私にそう訊ねた。
……勿論、答えは決まっている。

「……うん。……んっ!」

小さく頷いた瞬間、にゅるりと一本、太く骨ばった指が入ってきた。
自分でするのとはまるで違う感覚も、湯船たっぷりのローションが手伝って、拒否感なく受け入れられる。
始めはゆっくりと、中を確かめられるように弄られて。段々と恭真の指に慣れてくると、そこから何度もくちゅくちゅと出し入れされて、私の指では擦れない部分まで深く、強く中を掻き回された。
ぞくりとするのは、背筋だけでは済まされない。全身に快感が走り、体がびくりと反応する。

「……は、はあっ……ん……!」

「気持ちいい?」

私は恭真にしがみつき、喘ぎ声なのか返答なのかわからない声を出しながらまた頷く。
そんな様子を見て、恭真は嬉しそうに笑っていた。

「そっか、良かった。少し前に一人でしてたんだよな。もしかしたら早いかもしれないけど、指増やしても平気?」

「大、丈夫……んうっ!」

恭真の宣言通りに入り込む指は増え、与えられる刺激も増える。
一本だけでは単調な動きだった指が、バラバラと変則的に動き、中の肉壁を引っ掻くように更にぐちゃぐちゃにしていく。特に、私が甘い嬌声をあげた場所は執拗に。

気持ちいい。もっと、もっとこの気持ち良さが欲しい。触って欲しい。触りたい。
私ばかりが求めて申し訳ない気持ちになるけれど、それでも体と心はどんどんと昂っていく。切れ切れに息をして、声を漏らして。それだけで精一杯になった私の様子に、優しい恭真は責める手を緩めずに訊ねた。

「一回イっておくか?」

「あっ、あ、でも、恭真が……」

「俺はもっと良くなった貴音にいっぱい貰うから。だから貴音が……貴音の体が思う通りにして」

そんな事言われたら。
……言われなくたって、我慢出来ないくらいに快感を与えられているのに。

「恭真……っ、い、イく……ん……っ!!」

体が強張り、ぎゅっと恭真の指を捕まえて。ぶるぶると震えた体から何かが解放されていく。
その瞬間の全てを恭真に見られていると思うと凄く恥ずかしいのに、それがまた気持ち良く思えてしまう。

「はぁ……ん……」

体の力がふうっと抜けて、恭真にぴっとりと寄りかかった。
そんなふにゃふにゃな私を包みこむように抱きとめて、恭真は私にキスをする。

「貴音がイってるの、可愛かった」

「……うるさい、馬鹿」

それは今まで散々言った照れ隠しの言葉だったのに、恭真は面白がるように意地悪な口調で返す。

「ん?そんな事言っていいのかなぁ」

「ひゃっ!ン……!」

イったばかりで敏感な体が再び刺激され、自分でもびっくりするほどの声があがった。
私はますますその罵りを重ね、恭真は楽しそうにそんな私を虐め続けた。
けれど、恭真だっていつまでも我慢できる訳ではなく。私もどんどん恭真が欲しくなって。

「恭真っ……そろそろ恭真も……!」

「……ああ」

骨ばった指が秘部からぬるりと抜ける。
少しの寂寥感に見舞われるが、それよりも私を攻める事を止め、真剣に私を見据える恭真に心が向いた。
お互いが動きを止めた浴室では、濡れたどこかから落ちる水滴の小さな音だけが響く。

もう一度言って

「……あの、さ。こうやって突発的にヤる事になったけど、俺、本当にお前の事好きだから。ちゃんと、大切にする」

「……うん」

セックスをするという事もこれが初めてと言う事も、きっとちゃんと考えてくれているって証だし、凄く嬉しい。だけどその神妙な顔つきが、私達の仲では少しだけおかしく思えて口元を緩めてしまう。

「俺、初めてだから加減とかわかんないけど、辛かったら言って」

「……やだ」

「はあ?」

私が言った言葉に、恭真は間抜けな声を出した。
そう、これがいつもの私達の調子だ。
だけど、この言葉は意地悪とかからかいじゃなくて。私達の仲がいつか、わいわいと楽しむだけじゃなくて、もっと大人として愛し合う時間が増えるのも、嫌じゃなくて。これは、単に、正直な気持ち。

「……辛くても、止められちゃうなら、言わない」

「っ、そういう事言うなら、本当に止まんないからな!」

瞬間、恭真の宣言通りにぐ、と入り込んでくる太く熱い杭。
初めての感覚に、痛みに、思わず目をぎゅっと瞑った。

「……っく!」

「んンっ……!」

指で慣らしたとはいえ、こんな大きさでは比べ物にならない。
狭い空間に無理やり押し込まれる感覚に、私は息を途切れ途切れに吐く。
痛くて苦しい……けれど、身構えていたほど酷くはない。潤滑液はたっぷりとあり、普通よりも断然入り易くなっているのだろう。前戯も十分にしてもらい、自分自身でも濡れているのはわかっていた。
だから、少しだけ泣きそうになりながらも、必死で恭真のモノを受け入れていく。

「ちょ……貴音、締め過ぎ……!」

「べ、別に……締めてなんかない……んうっ……!」

「……だ、大丈夫か?」

「……多分、大丈夫、だから……はあっ……」

「貴音……」

ちゅう。

私の威勢はただの強がりだと、恭真にはバレているらしい。
その口づけの優しさが体中に広がっていくみたいに、痛みが和らいだ。いや、おそらく気が紛れているだけなのだろうけど。

恭真は自身をぐ、ぐと奥に押しつけながらも、また何度も、沢山のキスをくれる。
気がつけば、私は何とか恭真の全てを受け入れる事ができていた。

「あ……はぁ……恭真。入ったよ……今、恭真が、私の中にいる」

二人で嬉しそうに笑って、その感覚を共有する。
ここにある。
それだけで、凄く幸せ。だけど、それ以上に幸せな事がこれから待っている。

「……動いてもいいか?」

「うん、お願い」

恭真の言葉に答えると、中に入った大きな存在がゆっくりと入口まで引き抜かれる。
そして、再び奥まで。

「んっ……!」

その衝撃に体が一気に跳ねる。指でしか快感を感じた事の無かったそこが、知らない所まで、知らない質量で突かれて、ぎゅうっと締まり、同じ快感を恭真に返そうとしている。

「はぁっ……た、貴音、もう少し、力抜け……!」

「む、無理……気持ち良くて……はぁン!」

「俺だって気持ち良過ぎるんだって……!」

そうお互いに文句を言いながらも、冷静に考えられていたなら恥ずかしい告白をして動き続ける。
痛みと共に甘く溶けてしまいそうな快感を、自分達で生み出していく。
繰り返し、繰り返し。
やがて私達の中からは単純な痛みと苦しみが消え、代わりに襲いかかる快感に耐える辛さばかりになった。

「んんっ……!はぁ、んっ……恭真ぁ……」

「く、うっ……貴音っ……!」

とろとろのお湯が揺れて、波打つ。
とぷん、とぷんと大きく激しい波。
けれどそれは、嬌声と自分達にしか向けられない意識に、殆どが消えてしまって。
いつの間にか夢中になっていた行為の速度は早く、強く、どんどんと限界に近付いていた。

「なあ、貴音っ……!」

「あっ……はぁっ、なに……?」

「ちゃんと、聞いておきたい」

「なにを……?」

「俺の事、好きって、ちゃんと聞きたい……!」

そういえばはっきりとは言っていなかったっけ。

「恭真の事……す、好き、だよ……ずっと、好きだったよ……」

「っ!」

今、中で反応した?
直接の刺激じゃないのに。私が好きって言っただけで、恭真のモノが……。
恭真も快感に耐えるような必死な顔と荒い息をしているけれど、その中に嬉しそうな表情が垣間見えた。
思わず私もきゅんとして、更にお互い昂ってしまう。

「俺って早かったのかな。誰かとした事なんてないし、比べられないけど……こんなに早く、ヤバくなるとは思わなかった」

「わ、私だって……!はぁっ、はぁ……」

「悪ぃ……イ、くっ……!」

「私も……ン……ッ!」

既(すんで)の所で恭真のモノは引き抜かれ、お互いに絶頂した。
お湯には白濁色が混じり、わたしのその中で幸福感に満たされる。下は名残惜しそうにきゅんきゅんと勝手に動いているのがわかった。恭真の方もぽうっとした表情で、はぁはぁとした息を整えながら私に抱きつく。

「なぁ、さっきの。もう一回言って」

「馬鹿……。好き、だよ」

湯上りの二人

寄り添う男女

雨で濡れただとか、勝手に上がり込まれただとか。私達はそんな些細な事を忘れて、ソファーでただ寄り添っていた。

のぼせたのかもしれない。
長い事浸かっていたお湯の熱と、長い事秘めていた恋の熱に。
いや、のぼせた、ではなくのぼせている。
今も。鼻を通り抜ける香りが、私と一緒だという事にとてつもない幸福感を覚えているのだから。

「なー。あの入浴剤ってまだあんの?」

気の抜けた声で問う恭真。勿論、私も同じ様な声で返す。

「……ないけど」

「なら、買ったトコ教えて。買っとくから」

……買っておく?
良かったから恭真が使いたい、とかではなくて。

「は?そ、それって……」

「またこれ使って、一緒にしような」

「ばっ……バカ恭真ああああ!」

そう叫びながらも、後日サイトを教えてしまったのは言うまでもない事だ。

END

あらすじ

彼氏ナシ、エッチ経験なしの貴音は21歳女子大生。

トロトロのローション風呂で一人エッチを楽しんでいると、幼馴染で腐れ縁の恭真が雨でずぶぬれになったままお風呂を借りに上がりこんできて…

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