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官能小説 クールドSに心も体も拘束されて【LCスタイル】

ひそやかな願望

『っあ、やぁ……これ、外して……!』

がちゃがちゃと響く、耳障りな金属音と、そこに混じる女性の甲高い嬌声。
声の主である女性が、スマホの小さな画面の中で両手両足を手錠とバンドで拘束されている姿は、すごく哀れで、みじめで、――――うらやましい。

スマホを見つめたままローターで気持ちいいところ刺激すれば、私の身体はあっさりと果てへと昇りつめる。
しかし直後に私を襲ったのは充足感ではなく、倦怠感と、途方もない虚無感だった。

「は……、は……だめだ……」

私が呻くと同時、画面の中の女性も果てたらしい。 拘束された手足では、快感を逃がすことさえも出来ないのだろう。
彼女のように拘束されて弄ばれるのは、きっとすごく気持ちがいいはず、で。

「……いいなあ」

はあ、と重たい溜息と共に見下ろすのは、中途半端にベルトで縛られた自分の腕と足だ。
やっぱり自宅での一人えっちに拘束を取り入れようとするのは無茶だった。
上手く縛れないし、縛ると気持ちいいところを刺激しづらいし。
でも私にはこの願望に付き合ってくれるような男性のアテもない、わけで、――――いや、アテが全くないって言ったら嘘になるかもしれない。

ないわけじゃない、のだ。ちょうど私と噛み合うような欲望を抱いている男性の『アテ』は。

欲望を満たしてくれるひと

「――――宮野、終わりそう?」
「えっ……あ、ああ!うん!もうすぐ終わる、かな……」

『アテ』が急に話しかけてきたものだから、午後十時を回ってしまったオフィスの片隅で、私はあえなく椅子ごとひっくり返りそうになった。
私の動揺しきりの返答に、『アテ』であるところの彼、――――同僚で同期の久瀬伸一は少し怪訝な顔をして「無理しないように」なんて優しいことを言ってくれる。
久瀬君は、同期の中でもよく話すほうの男の子だ。そんな久瀬君がただの同僚から気になる存在になったのには、二週間ほど前の飲み会中に聞こえてきた、彼の言葉が関係していた。

『やったことあるプレイって言ったら、拘束とかですかね。別れた彼女とですけど』

そして、二週間前の時点で自分の欲望を持て余していた私は、そのときに思ってしまったのだ。

「……久瀬君に拘束されてみたい、なんて」

久瀬君は、どうやっておんなのこを縛るのだろう。
今、オフィスには残業中の私と久瀬君だけ。もし、ここで久瀬君に拘束されてしまったら?
彼の骨ばった指先が私の腕と足を縛り上げ、動けなくなったところを好き勝手に弄んで。
薄い唇も淡々と「会社でこんなに感じて恥ずかしくないの」と、私の身体の浅ましさを詰ってくれるとしたら――――

「宮野。さっきからこっち見てるけど、何か聞きたいことでもあった?」
「え!」

ぱちんと弾けるように、目の前に浮かんでいた妄想が掻き消えると、怪訝な面持ちの久瀬君がこちらを覗き込んでいるのが見えた。
とんでもない妄想をしていました、とは言えるはずもなく、私は視線を彷徨わせる。

「その、ええと……」
「なに?」
「この間の飲み会で久瀬君が言ってたこと……こ、拘束プレイがどうとか」
「……もしかして聞こえてた?」
「ちょっとだけ。それで、久瀬君そういうの好きなのかなあ、とか考えてました……ごめん」
「ああ……あれは、入ったホテルがそれ系の部屋しか空いてなくて。やってみようかって話になっただけだよ」
「……割と、普通の理由だね?」

僅かな落胆と共に納得も胸のうちで広がっていく。 だってあの久瀬君だ。温度が低めで淡々としていて、クールな彼が拘束プレイを好むなんて、そんなこと、――――

「――――もしかして、拘束されたいの?」
「え!?」
「いや、聞いてくるってことはそうなのかなって。ちょうど今誰もいないし、やってみる?」

しゅる、と衣擦れの音と共に、久瀬君のネクタイが解かれる。

「宮野、どうしたい?」

たぶん久瀬君は、私の欲望の何もかもを見透かしている。
駄目押しのように囁かれた言葉に、ついに枷を外された私は小さく頷いた。
恥ずかしさから顔も、身体も熱くなっていって、彼のネクタイで後ろ手に縛られる時点でもうどうにかなってしまいそう、で。

「手は終わり。足は……こっちかな」
「わっ……」

私の席のオフィスチェア、その肘置きに両足をかける形で、ベルトとハンカチによって拘束される。
はしたない恰好になのに、それでも私は足を下ろせない。だって――――

久瀬君に、縛られてしまったから。
彼の手に、自分の身体の主導権を渡してしまっていることが堪らなかった。

「……いい格好だね」
「っ……」
「全部見えてるよ。ここ、会社のオフィスなんだけど。分かってる?」
「あ、っ……」

まるでスイッチが切りかわったかのように、彼の唇が私をなじる。
その変貌具合に、興奮で背筋がぞわりと粟立った。
久瀬君はさらに私のほうへと近付き、私の足の間へと目を落とす。

「縛られて、こんな風にされるだけで随分濡れてるけど」
「……そん、な」
「どんどん溢れて……染みてきてる。恥ずかしい格好させられるの、好きなんだね」
「ゃ、言わない、で……っ」
「もっと恥ずかしい格好したいと思ってるんじゃない?例えば、目隠しとか」

淡々と、静かな声音が私の浅ましさをつまびらかにするたびに、お腹の奥がきゅう、と甘く疼いてしまう。
そこが重たい蜜を零して、溢れて、中を満たしてくれるものを求め始めているのを感じた。

ほどかれていく私のすべて

「目隠しだと宮野の感じてる顔が見えなくなるし、露出にしようか」

私のブラウスのボタンに、久瀬君の指がかかる。
ブラジャーが露わになったところで、彼の手はそちらへと矛先を変えた。
上にずらされたその合間から、ふるんと膨らみがこぼれ出る。

「くぜ、く……そんな、見ないで……」
「嫌そうには見えないけど……縛られて僕に見られるの、興奮する?」
「あ、っひ、……んんっ!」

微かに笑った久瀬君が、突然私の乳首を軽く摘まみ上げた。
少しだけかさついた、男の人の指が擦り合わされると、その間にある硬くなった芯がじんじんと熱を持つ。
久瀬君の理性的な瞳の中に映る私は、呆けたような恍惚を浮かべていた。

「……は、ひどくされてるのに、そんな顔しちゃうんだ」
「ふ、ぁっ……あっ、ちが、」
「じゃあ、もう少し痛くしようか」
「えっ……あ、ひっ、あああっ!」

強く乳首をつねられ、私は音階の外れた嬌声を上げた。
さらには蜜がとめどなく溢れる入口にも手が伸ばされて、その上の秘芯に爪を立てられれば、痛みと快楽が混ざり合ってわけが分からなくなってしまう。
拘束されて、逃げたいのに逃げられないのがこんなに気持ちいいなんて、知らなかった。

官能短編小説挿絵:男性が椅子に座っている姿

「っ……宮野の、その顔……いいな。もっと見たい」
「あ、ッだめ、久瀬く……そこ、ぁ、ん……!」
「はっ……さっきの、拘束プレイ好きなのかって話だけど」
「っ、え……?」
「本当は好きなのかもしれない。されるがままになって、いじめられる宮野を見てると、すごく……」

興奮するよ。

私の首元に唇を寄せた久瀬君が、そこに強く吸い付いた。
ぴりっとした痛みと共に、彼の熱い吐息が肌を滑る。キスマーク、付けられたんだ。

じんじんと熱を持つそこと、囁かれた久瀬君らしからぬ言葉が、精神的な快楽を私の脳味噌に伝えてくる。
身体も心も気持ちよくなってしまえば、もう我慢なんて出来るはずもなかった。

「ね、もう……っ」
「なに?」
「も、イキた……、っん」

彼の舌が、今度は胸の蕾をねっとりと舐め上げる。
濡れた感触に腰が重くなっていくのを感じながら、これ以上じりじりと焦らされるのは無理だと、彼に懇願した。

「ん、気持ちいいね。僕に何してほしい?」
「っあ……は、んん、挿れて、ほし……」
「なるほど。でもさ……このまま縛ったまま僕は帰る、とか。どう?」

そっちのほうがドキドキして、気持ちよくなれるかも。
表情のあまり変わらない、その端正な顔に少し嗜虐的な笑みを乗せて、 久瀬君がとんでもないことを言う。流石にそれは、と青ざめる私に、彼はふと息をついた。

「冗談。流石にそこまでしない」
「そ、そっか……」
「解こうか。そろそろ身体、きついでしょ」
「あ……」

久瀬君は足のベルトや手首のネクタイを外すと、それらを元の位置に収めた。
急に快楽の渦から放り出された私は、いつも通りの顔に戻った久瀬君をぼんやりと眺める。
彼は私の手首に赤く擦れた痕を見つけると、少しだけ目元を緩めてみせた。

「ごめん、痛かった?」
「え?あ、ううん。大丈夫」
「そう?偉いね」

痕の上に優しいキスをひとつ落とすと、久瀬君は自分のデスクへと戻り、帰るつもりなのか荷物をまとめ始めてしまう。火照りの残る身体がさみしい。
でも私たちは恋人でも何でもなくて、ただ雰囲気で拘束してみただけなんだから、続きなんてあるはずもないし、――――

「宮野、立てる?」
「ん」
「じゃあ、この後ホテルで続きでもどう?」
「うん……えっ!?」

私はその言葉を何度も頭の中で反芻して、ようやく意味を理解して、――――勢いよく頷いた。
さみしさに愚図っていた心と身体が、じわじわと満たされていく感覚。
久瀬君は、私の勢いにちょっとだけ微笑みながら「よかった」と囁く。

「断られたらどうしようかと思った」
「逆に断ると思ったの?」
「いや、あんまり思ってなかったけど。だって……」

伸ばされた手が、当然のように私の手を握って優しく引いた。

「僕たち、相性良さそうだし」

私を伴って歩くその背中に、快楽以外の何かを期待してしまう私は、――――きっと間違ってない。

END

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あらすじ

私には、人には言えない願望がある。

それは――『拘束プレイをしてみたい』という願望。

ひとりエッチでは取り入れる術もなく諦めかけていたのだが、一人だけ、その願望を叶えてくれそうな男性の“アテ”があって…。

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