注目のワード

官能小説 意地悪なカレ【LCスタイル】

彼の部屋へ

白く弾む吐息は、乾いた風に乗り夜空へと消える。

街路樹は葉を落とし、どこからか夕餉の香りが漂い始めた住宅街の中を、ダークブラウンのセミロングヘアに小動物のような愛らしい容姿の女性――長宗琴子が息を弾ませながら駆けている。

今日、二十五歳の誕生日を迎えた琴子は、恋人である和久井和喜のマンションへ向かっていた。

約束の時間まではまだ余裕があったが、少しでも長く和喜と過ごしたい琴子は猛スピードで仕事を終え、念入りに化粧直しをし、昂る気持ちを抑えながら和喜の待つマンションのインターホンを鳴らした。

幸せな誕生日

「誕生日おめでとう。琴子」

ドアを開けた瞬間、黒髪に少し切れ長の瞳をした和喜がピンクローズの花束を差し出し笑顔で出迎えてくれた。

「綺麗な花束……」

「琴子がピンクローズ好きだって言ってたから、つい買いすぎちゃった」

差し出されたピンクローズの花束の香りを楽しんでいる琴子に和喜は少し照れたように笑う。

「嬉しい! ありがとう」

室内に案内されると、リビングは淡いピンクを基調にした華やかなオーナメントに彩られ、琴子は感嘆の声を上げた。

リビングと繋がっているダイニングテーブルにはレースをあしらった純白のクロスが敷かれ、アンティーク調の燭台の灯がレストランさながらの雰囲気を演出している。

「すごい! これ全部和喜が用意したの?」

「うん、琴子を驚かせたくてね。でもこれだけじゃないんだ」

和喜は琴子をダイニングテーブルの椅子に座るよう促すと、キッチンへ向かう。何をしているのか気になった琴子だが、ここからではキッチンの様子は窺えない。しばらくすると、和喜が両手に抱えきれないほどの料理を持って現れた。

トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ、野菜たっぷりのミネストローネ、トマトとカニのクリームパスタ、それと苺のタルト。どれも琴子の大好物だ。

次々と運ばれてくる料理に目を丸くしていると、全て運び終えた和喜が正面の席に腰かけた。

「料理はあんまりしないから口に合うかわからないけど、ちゃんと味見したから大丈夫だよ」

「えっ!? 作ったの?ケーキも?」

「うん、ケーキは初めて作ったから自信はないけどね」

苦笑いをする和喜だが、出てきた料理はどれも素人が作ったとは思えない精巧さで、和喜は料理学校に通っていたのかという疑問さえ出てくるほどだった。

(こんな特技があったなんて全然知らなかった……)

驚愕を隠しきれない琴子を横目に楽しみながら和喜はシャンパンの栓を抜いた。

拘束されて…

幸せとはこういうことを言うのだろうか。普段仕事で忙しい和喜が自分のために用意してくれたサプライズを堪能し、リビングのソファで余韻に浸っている時、おもむろに和喜がソファの下に手を伸ばしたのだ。

「どうしたの?」

怪訝な表情で琴子が問うと、和喜は「とっておきのプレゼントがあるんだ。しばらく目を閉じていてくれないかな?」と琴子の頭をそっと撫でた。優しい掌にうっとりと目を閉じて待っていると、ゴソゴソと何かの封を開けている音が聞こえた。

次の瞬間、琴子の両目と両手首が柔らかなクッションのようなもので手早く覆われる。

驚いて目を開けたものの、目の前は真っ暗で何も見えない。手首も後ろ手に拘束され動けない状態となっていた。

「え、なに? なにが……」

起きているのと言う前に、琴子はソファに押し倒されてしまう。

「ひゃっ……」

「このアイピロウとリストバンド、とっても琴子に似合うよ」

和喜が困惑している琴子の上に覆いかぶさると、ソファがゆっくりと軋んだ。

「これ、ジョリマリスっていうんだ。可愛いいたずらって意味なんだって」

「可愛い、いたずら……?」

琴子に装着されたアイピロウとリストバンドを優しく撫でながら、唇が耳に触れそうな距離で和喜が囁く。

「ンッ……」

視覚が働かない分、聴覚と肌が敏感になってしまう。

「こういうこと好きでしょ?」

「そっ、そんなこと……」

耳元で囁く和喜の声が熱を孕んでいることに気付いた琴子の頬は紅潮し、無意識に下肢を捩らせる。それを見逃さなかった和喜は嗜虐の笑みを浮かべ、琴子の両頬をそっと押さえる。

小さな顔が掌にすっぽりと収まると、和喜は琴子に口づけをした。

「……ふっ、んん」

徐々に深みを帯びていくキスに、互いの息が荒くなる。

後追いする子犬のように縋る琴子に和喜は破顔し、健気に差し出された琴子の舌を吸い上げ、自身の舌にねっとりと絡ませた。

「琴子……可愛い」

「ふぁ……」

和喜は琴子のブラウスとブラジャーを外し、露わになった乳房を弄り始める。

「ひゃん!」

何も見えないからか、いつもより身体が敏感になってしまう。和喜の指が乳首に触れるたび抑えられない嬌声が室内に響いてしまう。

「やっ、だめぇ……声、恥ずかしい……」

「どうして? すごく可愛いのに」

乳首に唇を這わせ、時折甘噛みしする和喜はきっと意地悪な表情をしている。

情交の最中、琴子が羞恥を感じた時に見せる、目を細めて口角を少し上げたあの悪戯な表情が脳裏に浮かぶ。

「あ、あ……んぅ」

思い浮かべただけで下腹部はじわりと疼き、あの夜の悦びを欲している。

「今夜はいつもより感じてるね、やっぱりこういうこと好きなんだ」

「ち……ちが、う」

否定する琴子に焦れた和喜は乳房を弄る手を止め、スカートをたくし上げるとショーツの隙間から指を這わせた。

「ひっ、ああ!」

不意に秘所に触れられ、仰け反るような快楽に琴子は喘いだ。秘所は滴るほどの蜜を垂らし、和喜の指をあっさりと受け入れる。

「すごく濡れてる……」

クチュクチュと指を出し入れするたびに新しい蜜が奥から溢れ出し、クリトリスを軽く押し潰すと、そこを中心に電流が流れるような激しい快感が身体を駆け抜ける。

「ンンーッ! あっ、だ、だめぇ……」

そんな琴子を満足そうに見下ろすと、和喜の指は秘所の中のある一点を執拗に攻め始める。

「あっ、や、そこ……ひっ、う……ああっ!」

秘所を攻める指を止めずにキスをすると、琴子はあっけなく絶頂に達してしまった。それと同時に秘所に和喜自身が擦りつけられ、ゆっくりと琴子の中に入ってきた。

「ンあぁ! ふ、ぅう……」

「……はっ」

待ち焦がれたモノに秘所は和喜自身を歓迎するように収縮した。

リビングのソファの上で拘束され、目隠しもされた状態で挿入されて悦んでいる自分自身に琴子は困惑した。

そして、なぜかいつも以上に和喜を欲し、愛しく感じる。

(――私、もしかして本当にこういうこと好きだったの……?)

アイピロウを使う官能小説イラスト

律動を始めた和喜の腰に縋るように足を絡み付け、互いを貪るように求める中、頭の片隅で考えようとするが、その隙も与えないほどの淫楽に薄氷が割れるように理性が砕けていく。

「あっあぁ、かず、きぃ……もっと」

「いいよ、壊れるくらいしてあげる」

砕けた理性で懇願すると和喜はより一層深く侵入し、先端を最奥まで擦りつける。

「そこっ、そこ好きぃ……あっ、か、ずき」

とめどなく溢れ出る愛液は二人の結合部を淫らに濡らし、臀部にまでその蜜を垂らしている。

「琴子、好きだよ、好きだ……!」

「んあっ、かずきぃ、すき……だ、いすきっ」

痺れるような快感に身悶えしながら最奥を激しく突かれ、抱き合いながら二人は絶頂へ達した。

(……少し悔しいけど、私って本当にMなのかも)

激しい情事の後、琴子の拘束を解いて二人は微笑みあう。

意地悪な彼から“可愛いいたずら”をプレゼントされた誕生日は、これまで以上に二人の愛が深まった最高の夜となった。

END

あらすじ

25歳の誕生日。訪れた彼のマンションで幸せな誕生日を迎えていた琴子。そんな彼女に彼が突然…?

この記事を読んだ方にオススメのコンテンツ



一足先にラブコスメ漫画を読みませんか?

官能小説はやっぱりLC!女性のためのすべて無料の官能小説サイト『エルシースタイル』!女性向けのえっちな小説や、女の子向けの投稿小説作品、セックス体験談を多数掲載中!短編から長編まで、エルシースタイルでしか読めない女性のための連載官能小説をお楽しみください。

遠距離恋愛SP
  • クンニ
  • さくらの恋猫
  • ヌレヌレSP
トロけるエッチ
騎乗位動き方
公開中のエピソード 全100話公開中
やまねこ
やまねこ
心も体も満たされる、そんな小説を目指して執筆しておりま…
カテゴリ一覧
感じる官能小説
幼馴染(全3話)
仕事一筋(全3話)
遠距離恋愛|遠距離恋愛カップルの官能小説
夜明け前〜解放〜(全6話)
夜明け前〜出逢い〜(全6話)
絵の中のあなた(全3話)
空をつなぐ(全8話)
恋のチカラ(全6話)
恋愛エクスプレス(全8話)
キミに出会う旅(全5話)
君が気づかせてくれたこと(全6話)
home sweet home(全4話)
恋の花の咲かせ方(全5話)
まだ見ぬ君へ(全4話)
ここにいること(全4話)
未来の花ムコ(全4話)
彼女の生きる道(全7話)
本当の幸せ ―私の誤算―(全3話)
コイの記憶(全3話)
救世主(全3話)
再びの春(全3話)
天使の羽(全3話)
キャンパス(全3話)
恋愛診断(全3話)
傷心旅行(全3話)
甘い恋愛(全3話)
始まりは雨(全3話)
遠回りした私たちの恋(全4話)
LOVERS〜恋が始まる〜(全6話)
LOVERS〜恋が揺らぐ〜(全6話)
LOVERS〜恋がざわめく〜(全6話)
揺れる明るみ〜癒し〜(全6話)
揺れる明るみ〜包容〜 (全6話)
うずきがとける(全7話)
おんなの、秘めごと|森下くるみの官能小説
バースデーバレンタイン|渡辺やよいの官能小説
安藤呂衣は恋に賭ける|内田春菊の官能小説
私の知らない私|女性向けSM官能小説
ウーマン・オブ・プラネット
官能小説の書き方(投稿)
その指が恋しくて|指フェチの官能小説
あなたを感じる〜電話エッチ〜|テレフォンセックスの小説
寂しさの粒|マリッジブルーで婚約破棄を考える女性の官能小説
ルームナンバー701
美味しいセックス|おいしいフェラの官能小説
目で感じる官能エロ小説
「もうひとつ」の誘惑|ディルドの官能小説
新着小説作品
あなたを掴まえたい(年下彼氏)|年下男子との恋愛小説
夜はまた明ける
秘密の氷が溶ける音
心の糸を結ぶ場所|婚活パーティーが舞台の官能小説
Sweet of edge
となりのS王子「ファースト・クリスマス」|クリスマスHの小説
となりのS王子小説版 恋におちたら|上司との恋愛官能小説
先生とわたし|先生と生徒の恋愛官能小説
【小説版】シンデレラになる方法 〜誓子の場合〜
【小説版】夜ごと課外レッスン|夫婦の官能小説
クロスラバーズ spotA 谷崎美陽の場合
クロスラバーズ spotB 吉井月乃の場合
妄カラ女子 spotA 小森未由の場合
純白と快感のあいだ|ひと夏の恋を描いた官能小説
妄カラ女子 spotB 榊川彩子の場合
パラレルラブ spotA 加藤直紀
パラレルラブ spotB 高木洋輔
同居美人 projectA 名取千織
同居美人 projectB 上塚想子
心も体もつながる夜は
幼なじみの甘い脅迫|幼馴染との官能小説
甘恋レッスン|幼馴染とするエッチの練習小説
恋のメイクレッスン|可愛い女の子の恋愛小説
彼女を震わせるモノ|ローターで攻める官能小説
オンナノコ未満、オンナノコ以上
本当にあった物語|ラブコスメの体験談小説
恋猫、飼い始めました。|リモコンバイブが登場する官能小説
Lovecure|ラブホテルでのセックス官能小説
二度目の恋におちたから|セカンドバージンの小説
Vな彼女と彼氏/凛野あかり
【小説版】タワーマンションの女たち
年下わんこのおねだりタイム|玩具の官能小説
今夜は私から/矢野樹
私も知らないわたし/結奈
初めてのひみつ/凛野あかり
心も体も通わせて(全4話)
マンネリ打破!恋愛スイッチ(全2話)
プリンセスになりたい(全2話)
恋の誘惑は唇から(全3話)
インサート・コンプレックス|エッチができない官能小説
上手なキスを教えて?|上手なキスの仕方がわかる官能小説
秘密、蜂蜜、果実蜜|三松真由美の官能小説
エッチな女性はお好みですか?
私だけの、キミでいて。|膣トレで自分磨きをしていく官能小説
あなたのすべてが性癖なのです。|アナルセックスの官能小説
きみの声じゃないと駄目なんです!|言葉攻めで感じる小説
欲望まみれの執事に愛されて|執事とのSM官能小説
彼の知らない私と、私の知らない彼
「気持ちいい」を聞かせて|同棲中のセックスレス小説
恋する貴女へ特別な快感(おもてなし)を〜若旦那の恋の手ほどき
ひとりえっちの為の短編エッチ小説(オナニー小説)
投稿官能小説(短編)
大人の恋愛小説(短編)
夏目かをる小説|夏目かをるが描く無料官能小説
官能エッチコラム
おすすめ官能小説レビュー
クリエイターズサイト
無料動画を見る
招き恋猫
メルマガ登録して最新h漫画を一足先に読もう