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官能小説 金曜日の夜


金曜日の夜

キャラクターイメージ:薫子(女性) キャラクターイメージ:将大(男性)

「ねぇ、今日はどこにする?」
夜の繁華街。
カップルが目につくホテル街で、私七瀬薫子(ななせかおるこ)はギュッと彼の手を握った。
「ん?どうしようか…そうだなぁ。あそこは?」
優しく微笑む彼、石戸将大(いしどまさひろ)は、同じ広告代理店につとめる同期。
普段職場では、関係を内緒にしているからこそ同僚や上司の目がない繁華街では、いつもより気兼ねなく寄り添うことができるのが嬉しい。
「お洒落な感じだね。素敵!」
にっこりとほほ笑むと、彼は私の手を引いて自動ドアの前に立った。

「ねーねー将大、見てみて、ジャグジーがついてる!」
広い室内をあれこれと見ながら歓声を上げる私に、彼は目を細めながらうなずく。
「綺麗だし、広くていいな…おおっ!」
急に彼が声を上げた。
「どうしたの?」
バスルームに入ろうとしていた足を止めて、室内へと戻る。
「あっ、いや、何でもないよ」
ベッドサイドに立っている将大が大きく手を振った。
「それよりほら、早くお風呂にお湯を入れないと」
「大丈夫ならいいんだけど…。お湯、入れてきちゃうね!」
私は用意された入浴剤を入れて、浴槽が青く染まるのをしばらく眺めていた。

言葉責めのような、甘い囁き

広い室内の中央に置かれたキングサイズのベッド。
お風呂から上がった私は、将大に背後から抱きかかえられるようにベッドに座った。
音楽を止めた、何も音がしない静かな空間。
「ねぇ、将大?」
ささやくようなボリュームで出した声が大きく響く。
「どうした?」
目の前が突然真っ暗になり、その上腕に柔らかいものが触れる。
「なに…これ?」
手が動かない。拘束されてしまったようだ。
「ん?ちょっと楽しそうだなって思ってさ。」
耳元でそっと囁かれる。
「楽し…そう?」
私の不安をかき消すように、将大は優しくそして激しいキスをした。

「どうしたの?今日は声が大きいね」
言葉責めのようにからかう様な声に、耳が熱くなる。
「だって、将大が…」
視界を奪われるって、どうしてこんなにドキドキするんだろう。
次に何をされるのか、全く分からないままなすがまま。
将大はいつもみたいに。

私が弱い所を避けて、ゆっくりと指を滑らせ優しい刺激を繰り返す。
うなじから肩、そして胸へと。
マッサージをするような指使いに私は弱い。
「あっ…んっ…」
いつもは指を噛んで我慢するのに、今日は手を拘束されているから声が漏れてしまう。

「また可愛い声が聞こえる」
(いじわる)
心の中のつぶやきは将大に届く訳がなく。
「そんなに我慢しても、身体は素直なのにな」
そういいながら将大は、敏感なところに触れた。
暗闇の中でクチュクチュと卑猥な音が響く。
「だっダメ…あっ…」
「あっいつもより良いの?もうこんなになってる」
いつもより少しだけ、意地悪な将大の声が大きく響いた。

意地悪な彼

「なんでそんなに意地悪するの?」
泣きそうな声できいた。
「薫子が、可愛いからだよ」
そう耳元で囁くと、将大は優しく乳首に歯をたてた。
鋭い刺激に思わず身体がのけぞる。

「ひっ…」
「どうしたの?そんなに良いの?」
将大の声に大きく頭を振る。
「そんなこと…」
(ない…と思うけど)
「素直じゃないね。おしおきだ」

そう言うと将大は、二本目の指を私の中にいれた。
「だめ…きついってばぁ…」
的確に敏感なところをなぞられて、身体の力が抜けて。
リズミカルな指の動きが、私の意識を徐々に奪っていく。
「ほらここが良いんでしょ?」
「もうだめってばぁ」
だんだんとろれつが回らなくなり、頭がぼーっとする。
クチュクチュという水音が段々大きくなる。
身体がほてって熱くなって、無意識に腰が動き出した。

「ん?ここ、欲しいの?」
「…うん」
「ちゃんとおねだりできたら良いよ」
「…いじわる」
(知ってるくせに)
心の中でつぶやいても、将大の指はゆっくりと奥を撫でまわす。

「あっ、そこ、良い」
思わず口にした言葉に、喜んだように指の動きが激しさを増す。
「だっだめ、ねぇだめってば」
必死で身をよじるけれども、自由に動くことができない。
「何がだめなの?こんなに悦んでるくせに」
「だってぇ…」
自分の声とは思えないくらい、媚びた甘い声が出た。

「ちゃんと言わなきゃ、いかせてあげないからね」
そういうと、将大は急に指の動きをゆっくりにした。
求めていた刺激がなくなり、もどかしさで腰が動いてしまう。
「…ほしい」
「ん?何が?」
「将大のが欲しい」
消えそうなくらい小さな声で言うと、将大は指を激しく動かしながら耳元で囁いた。
「よくできました。ご褒美にいかせてあげる」
ふっと耳に息を吹きかけられて私は意識を手放した。

男性に目隠しされたまま性的に攻められる女性

唇に触れた感触で目が覚めた。
「んっ…」
「薫子、凄く良かったんだね」
「えっ?」
「だってあんなに悦んで俺の指を締め付けてた」
「そんなこと…」
「次は俺の番だからね」
そういいながら将大は、ゆっくりと私の中に入ってきた。

「待って、だめ、ねぇってば」
圧迫感を感じつつも受け入れる。
「そんなに大きくしちゃ無理…」
普段よりも大きく感じる将大のそれは、奥の弱いところを的確に捉えてそして何度も何度もキスを繰り返す。
「ん?じゃあ止めようか」
「…そんなぁ」

消え入りそうな声に悦んで、将大のそれが膨らみを増した。
「無理、ねぇきついよぉ」
哀願しても止まらない刺激。
「薫子、そんなに悦んだら出ちゃうよ」
「だって…激しい…だっだめ、そこ、奥、良いの」
「ここ好きだよね本当に。
ほら、ここでいきたいんでしょ。
俺ももう我慢できないから…」
将大の言葉に頷くと、いつもより激しい将大の動きが、更に速くなる。
「あっ、いく、いっちゃう」
「俺も」

嫌いじゃないだけ

目隠しと手錠が外されて、やっと将大の顔を見ることができた。
将大は腕枕しながら髪をなでてくれる。
「もう、意地悪なんだから」
「たまには良いだろう?悦んでた癖に」
真っ赤になってうつむく私に、将大は優しくキスをしてくれた。

確かに言葉責めは嫌いじゃないかもしれない。
しれないけど…。

「…嫌いじゃないだけです」
「素直じゃないな、もう一回身体に聞こうか?」
そういいながら将大は私を抱きしめた。
「結構ですっ。もう、エッチなんだから!」
「それも含めて、好きなんだろう?諦めろよ」
心の中で抗いながら、私は布団を頭から被った。
「しらないっ。もうおやすみ」
「うん、良い夢を」
将大の言葉に、私は大きく頷いて眠りについた。


あらすじ

広告代理店に勤める薫子は、同じ職場の彼の将大とラブホテルに来ていた。
ラブホテルに目隠しと手錠が出来るアイテムが用意されていることに気付いた将大は薫子に…。
薫子は将大の言葉攻めと激しいキスで溶かされていく。

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