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官能小説 Hot Love Scene


Hot Love Scene

渋滞にはまって、かれこれ1時間半が経っていた。

夫・圭介の実家からの帰り道だ。
隣の圭介は、運転できるにも関わらず、代わろうともせずにずっと携帯をいじっていた。

「まだまだ時間がかかりそうだな」と、ひとごとのように圭介が呟く。

奈由香は小さく溜息をついた。

結局、帰宅できたのは出発から6時間後だった。

リビングでごろんと横になってしまった圭介に嫌味をいう気力もなくなった奈由香は、疲れきった体を休めようとバスルームに向かった。

お湯を溜めている間に、洗面所で化粧を落として服を脱ぐ。

鏡に自分の体が映った。ここ1年、じっくり時間をかけて手入れした体だ。

1歳年下の圭介とは少し前まで、年単位のセックスレス状態だった。一時は正直、もう夫婦関係は絶望的かもしれないとあきらめかけたこともあった。

だが、そのことをある友人に打ち明けると、説教をされてしまった。

結婚後十数年を経ても、いまだに週に何度も夫と熱い夜を過ごしていると胸を張った彼女に、夫に自分を女として意識させ続けるには、妻の側の努力も不可欠であると教えられた。

今はすっかり手入れの行き届いた女性らしい体になっている。

鏡の前の奈由香

その甲斐あってか、男女の関係は少しずつ戻ってきた。

「今さら」という照れもあるのか、少しぎこちなく感じられるときもあるが、セックスレスだったころに比べればずっと幸せだ。

ふいに洗面所のドアが開いた。奈由香がいることに気づかなかった圭介が入ってきたのだ。

「っ!!……ご、ごめん! いると思わなくて……」

謝りながらも、圭介の視線は奈由香の裸体にじっと注がれていた。

「……どうしたの?」

圭介は、いや……と歯切れの悪い返事を残して出て行った。

入浴後、2人で簡単な食事を済ませると、奈由香はソファでウトウトとし始めた。
浅い眠りの中、腕を撫でる優しい感触に気づいてそっと目を開けると、圭介が隣に寄り添っていた。

「今日は運転、ありがとう。疲れたよね? マッサージしてあげるよ」

珍しい、と思いながらもうなずくと、圭介は抱きかかえるようにして奈由香をベッドに運んでくれた。

「はあ……気持ちいい……」

ベッドに移動して、じっくりと肩を揉みほぐされると、溜息が漏れた。

「気持ちいい?」
「うん、気持ちいい……」

マッサージのためのやりとりも、ベッドの上だと何とはなしにエロティックなものに感じられる。

(ただのマッサージなのかな……?)

圭介が「上を向いて」と声をかけてきた。圭介の手が、肩口を優しく揉みほぐしていく。
胸に触れるか触れないような感覚が、ひどくもどかしかった。

そのもどかしさに耐えるように目を閉じると、熱いものが唇に触れた。

目を開けると、すっかり熱っぽくなった圭介の目があった。
一瞬の間を置いて、「したいっ……!」という言葉とともに、噛みつくようなキスが降ってきた。

「疲れてるのにごめん……。でも、我慢できないよ……」

耐えきれないといった様子で呟いた声に奈由香の興奮も高まり、腕を伸ばして圭介の頭を引き寄せた。

圭介はあっという間に奈由香の部屋着と下着を脱がせてしまった。
そのまま、首すじや胸もとに指と唇を這わせる。

あらわになった乳首に甘い電流のような快感が走った。

たまらずに反らせた背筋を、もう片方の手が緩やかにいとおしげに撫で上げた。
愛撫はさらに腰からヒップ、太ももへと続く。

「奈由香、どうして欲しい?」

痺れるような陶酔と求められる嬉しさで答えられずにいると、圭介の唇は腹部から下へ、奈由香の喜悦を探りあてるべく降りていった。

狭間の形を確かめるように上下にそっとなぞられると、腰を動かしてしまいそうになった。

(今日なら……使えるかも……)

奈由香は愛撫を受ける合間に、
ベッドボードの引き出しから「あるもの」を取りだし、圭介に渡した。

セックスレスを卒業したことを例の友人に報告すると、「お祝いよ」とくれた、リュイール ホット……。

何となく使う機会を逃してきたが、今日は……今日こそは使ってみたい。

圭介は受け取ったリュイールを塗り広げた。
指の動きと、じわりと滲む熱さに、ぴくんと腰が跳ねる。

「……! ん、あっ……!」

急に襲ってきた快感に、奈由香は体をのけぞらせた。

一瞬、何が起こったのかと圭介は指を止めたが、奈由香のそこがとろりと熱を帯びているのがわかると、覗きこんできた。

「溢れてくるよ、音がする……」

と、耳元に息を吹きかける。

そこから発する音は、奈由香の耳にも届いた。
今までこんなに濡れたことがあっただろうか。

「これはどう?」

圭介の指がゆっくりと肉体の淵に沈み、感じる部分をとらえて刺激した。

切なく締めつけつつ、あまりの気持ちよさにわずかに恐怖をも感じて体をよじらせたが、圭介は止めることなく奈由香を追いたてた。

「奈由香がいやらしいから……きれいな体だから、興奮する……」

圭介のものが入ってくると、今までにない熱さを感じた。
深く繋がったまま何度も揺さぶられて、最後は抱き合ったまま二人で果てた。

(愛し合うセックスが出来るって、幸せ……)

朦朧とした頭で奈由香は、まだ下腹部に残る余韻に浸りながら圭介にすり寄った。

圭介がぎゅっと抱きしめ返してくる。
奈由香は幸せをかみしめ、眠りについた。

END

あらすじ

奈由香は夫の圭介と少し前までセックスレスだった。
絶望的かも、そう思っていたが奈由香のたゆまぬ努力により二人の仲は戻りつつあった。

ある夜、圭介が「マッサージしてあげるよ」と珍しく持ち掛けてきて…

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