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官能小説 甘い香りに恋をして
甘い香りに恋をして
ある休日、陽菜は気分転換に新しいコスメを試してみることにした。
それは、友人が誕生日プレゼントでくれた、ピーチの香りがするボディクリームとヘアオイルだった。
甘く爽やかな香りに、陽菜は思わず笑みがこぼれる。
「わぁ、すごくいい香り……。なんだか、私まで甘くなっちゃいそう」
陽菜は大翔には内緒で、こっそりとその香りを身にまとった。
夕食の準備中、リビングで本を読んでいた大翔が、ふと顔を上げた。
「ん?なんか、甘い匂いがするな。陽菜、何か焼いてるのか?」
「ふふ、どうかな? 当ててみて」
陽菜は振り返らずにそう答えると、大翔はゆっくりと立ち上がり、キッチンへとやってきた。
陽菜の背後に立つと、大翔はそっと鼻を近づける。
「んー……なんだろう。すごく懐かしいような、でも新しいような……」
大翔の吐息が首筋にかかり、陽菜の心臓がトクンと鳴った。
こんなに近くで彼を感じるのは、久しぶりかもしれない。
「ヒントはね……」陽菜は小さく囁いた。
「大翔が昔、大好きだって言ってくれた香りだよ」
大翔は腕を陽菜の腰に回し、優しく抱きしめた。ピーチの香りが、二人の間を包み込む。
「これ……桃の香りか? なんか、昔陽菜と初めてデートした時のこと、思い出すな」
陽菜は驚いて振り返った。
「覚えてたの……?」
「もちろん。あの時も、陽菜からこんな甘い香りがしてさ。ドキドキして、まともに話せなかったんだ」
大翔の言葉に、陽菜の頬が熱くなる。
彼の記憶の中に、自分との甘い思い出が鮮やかに残っていたことに、胸がキュンとなった。
夕食後、リビングで映画を観ていると、大翔が陽菜の髪をそっと撫でた。

「やっぱり、いい匂い。今日の陽菜、なんか特別だな」
「もう、からかわないでよ」
陽菜は照れ隠しに大翔の腕を軽く叩いたが、心の中では嬉しさが込み上げていた。
大翔は陽菜の手を取り、自分の頬に当てる。
「からかってない。本当にそう思う。なんだか、陽菜と出会った頃みたいだ」
大翔の真っ直ぐな瞳に見つめられ、陽菜の心臓は再び高鳴り始める。
「大翔も、ずるいよ」
陽菜は精一杯の気持ちを込めてそう言うと、大翔はくしゃっと笑った。
「そうか? 嬉しいな」
大翔は陽菜の指先にそっとキスをした。
その優しい感触に、陽菜の全身に甘い電流が走る。
「あのさ、陽菜」
「ん?」
「明日、どこか行かないか? 二人で、ゆっくりできるところ」
「急にどうしたの?」
陽菜が問いかけると、大翔は少し照れたように視線を逸らした。
「いや、なんとなく。また、陽菜とデートしたいなって思ったんだ」
その言葉に、陽菜の胸は幸福感でいっぱいになった。
結婚して7年。
家族としての安らぎも大切だけど、時々こうして、お互いを「男」と「女」として意識し、トキメキを感じられる瞬間があることの尊さを、陽菜は改めて感じていた。
「うん、行こう!どこでも、大翔と一緒なら」
陽菜は微笑みながら大翔の肩にそっと頭を乗せた。
ピーチの甘い香りが、二人の心をそっと繋ぎ直し、忘れかけていたロマンチックな予感を運んでくる。
二人の間に流れる時間は、かつてないほど甘く、そして温かかった。
END
あらすじ
結婚7年目の陽菜と大翔。ピーチの香りが二人のトキメキを呼び起こす……!









