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官能小説 【後編】破れた恋の忘れ方 〜世話焼き後輩を煽ったら甘く返り討ちにされました〜【LCスタイル】


この作品について

この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した
「妄想小説コンテスト」の優秀賞作品です。

初めての感覚

「うぅ……もう、わかったよぉ。ごめんって、もうわかったからぁ……」

もういっぱいいっぱいである。これ以上はキャパオーバーなので勘弁願いたい。
いつの間にか解放されていた両手で顔を覆う。頭の中が真っ白で何も考えられない。

「いやいや先輩、これで全部分かったつもりになられても困るんですけど」

衣擦れとカチャカチャと金属が擦れる音が、ミカコの耳に届いた。
顔を覆っていた手を退けそっとハルトに目を向ければ、シャツを脱ぎ捨てた上半身があった。
思った通りの逞しい身体付きに、ドキッとしてしまう。だがズボンを寛げているところを目にして、すぐに我に返った。

「あの、も、無理ですごめん、ほんと」
「止めませんよって、俺言いました」
「あの!それは、はい、聞いたけど!でもあの、ほんとちょっといっぱいいっぱいっていうか……!」

直視出来ない代物に片手で器用にコンドームを被せながら、再びハルトがミカコの真上にやってきた。
逃げようにもがっちりと膝の裏を抱えられていて、逃れられない。入り口に宛てがわれた質量に息を飲んだ。

「待って、ほんと待って」
「──大丈夫。優しくするから。ミカコ、力抜いて?」

穏やかな眼差しでそっと囁かれる。
いつものハルトの声にしては、砂糖をたっぷり加えた菓子の如く甘く、胸がぎゅっと掴まれたように苦しくなった。

(このタイミングで、そんな本当に恋人みたいに言うの、ズルい)

しかも心なしか、名前を呼ばれたときが一番甘いような気がした。
もう、覚悟を決めるしかない。

「──ンッ」

ぐぐっと胎内に入り込んでくる感覚はやはり緊張する。ハルトはそれを分かっているのか、力の抜けきらないミカコを安心させるかのように、額や瞼、そして頬にそっと口づけを落とす。
それが本当にミカコの緊張を解した。キスがひとつ落ちる度に力を抜いていくと、中を押し広げるようにして入り込むモノが少しずつミカコの胎内を占領し始める。

男性に突き上げられる女性

「ん、ぅぅ……っ」
「──っは。先輩、キツく、ないですか?平気?」
「へ、へいき……だけ、どっ」
「だけど?」
「なま、え……呼んで、さっき、みたいに」
「……ミカコ」
「────っあ!」

名前を呼ばれたとともにぐっと力強くハルトが入り込み、ぴたりと身体がくっついた。
逞しい腕がミカコをぎゅっと抱き締めて、何かを堪えるような溜息が耳元を通り過ぎる。

(ハルトの息、あつい……)

ミカコもさっきとは違う何かが込み上げそうで、ハルトの首に腕を回してしがみつく。か細く名前を呼ぶと、同じくらい細い声で呼び返された。

「ゆっくり、動くから。辛かったら、言って」
「──ン、あっ」

ずるずるとナカを擦りながら宣言通りゆっくりとハルトが出て行く。
それが震えるくらいの感覚をミカコにもたらして、ハルトにしがみつく腕に力が籠る。
だが、ギリギリ抜けきらない辺りで戻ってくる。またナカを押し広げるようにして侵入される感覚に、今度は息を詰める。

「……ッンぅ」

鼻から抜ける息が熱い。じわじわと身体に汗が滲むのを感じる。身体までも発熱したときみたいに、あつい。
いつも何が何だかよく分からないまま終わるセックスが、ハルト相手に経験が塗り替えられていくようだ。
今のミカコにもたらされているもの、これがセックスで感じるということなのだと思うと──嬉しい半分、やはり恥ずかしい。
漏れ出る声が自分のものではないような気がして、ミカコはぎゅっと口元を引き結んだ。

「……ンっ、んぅ、っふ、く」

しかし、それでも唇の隙間からこぼれ出てしまう吐息はどうにもならなかった。

「ミカコ。……声」

吐息交じりの咎めるような声がミカコの耳に掛かる。
顔の横にいて見えないはずなのに、バレバレだったようだ。

「声、出してって言ったでしょ」
「──ひゃッ、ン、あ、だ、ってぇ……!」

あむ、と耳を甘噛みされて耐えられずに口を開いてしまった途端に甘い声が出て行く。

「でもも、だっても、ないの。ミカコが感じてる声、聞かせて」
「あっ、やァっ、やだぁ、はずか、しいの……ぁッ!」
「じゃ、我慢できないくらい、気持ち良く、してあげる」
「ん、ああっ!」

まるで罰を与えるかのように少しだけ強くなった律動にこぼれる声を止められない。
よく分からないが、ナカを穿つ角度が変わったように思う。今までよりも擦れる感覚が痺れるほどに強くなって、ハルトの言葉通り我慢できずに喘がされた。
頭が真っ白に染まっていく。もたらされる快楽がミカコに熱を与え続ける。──おかしくなりそうだ。

「やぁ、やだぁっ、ハルッ、ハル、トぉ……ッ、とまってぇ」
「ミカコが、我慢しない、って言うなら」
「あンッ!やだ、やだぁ……ッ、こん、なに、声、出ちゃうの、初めてだから、恥ずかし、の……ッ」

──気持ち良すぎて、頭がおかしくなっちゃう。

素直な気持ちまでも我慢できずに出て行ってしまった。
すると、あんなに止めないと言っていたのにハルトの動きがピタリと止まる。不自然なほどに突然止んだ快楽の波に、ぼーっとしていた頭もわずかに冷静さを取り戻す。
「……ハル、ト?」

ミカコの横でシーツに埋まるハルトの表情は見えない。だが唯一見えるハルトの耳は真っ赤だった。

「ハル──」
「ああああ、もうッ!!」
「──ッわ」

不意にハルトが起き上がったと思えば頭をがっしりと掴まれて髪をわしゃわしゃと掻き乱された。
しかも短時間ではない、自棄を起こしたような手つきでわしゃわしゃ、わしゃわしゃといつまでも掻き乱してくる。

「ちょ、ハル」
「もう!無理!ほんっと、無理!」
「ハル、トっ?あ、の、止まって?」
「先輩のバカ、バカ、バカぁ!」

ようやく髪を?き乱す手が止んでも、思う存分ぐしゃぐしゃにされたので前が見えない。

「ハルト……?」

顔面を覆う後ろ髪を手櫛で退かし視界を見やすくすると、ハルトは顔を手で覆って大きな溜息を吐いていた。
一体どうしたのだろうか。彼に何が起きたのか分からず、ミカコはただハルトを見上げる。
と思えば顔の両横にどすっとハルトの手が落とされて、衝撃でベッドが軋んだ。

「もう、とりあえず、止められないんで」
「え?あの?」
「ごめんけど、ほんっと、もう無理」
「一体、どうし────っひゃあ」

訳の分からないまま、両膝の裏をぐいっと持ち上げられて身体がハルトの方に引き寄せられた。その衝動か、角度がより深くなって胎内にあるハルトの感触がより強まる。
おまけに繋がったところも丸見えだ。ハルトが腰を引いて自分のナカに埋まっていたモノがずるりと出てくる瞬間まで。

「あっ、ああ!」

今までよりも遥かに大きな快楽の波に襲われる。ぶわっと体温が急上昇するほどの刺激に、一度冷静さを取り戻した頭はすぐに白く染められた。
ずるずると激しくナカを擦られる度に、視界が明滅する。お腹の──子宮のあたりに熱が集まってくる感覚がし始めて、浮いてもないのに身体が浮き始めてるような錯覚が起こる。

「っあ、ハルト!はる、とぉ……はげし、あンッ!」
「──あぁもう、やば。っ、は、もう、でそ……っ」
「ン、ンぅうッ」

我慢するなと言った唇が、喘ぎ続けるミカコの声を噛みつくように塞いだ。
声はハルトの口内に飲み込まれ、くぐもる。
穿たれる速度がより早くなって、身体のナカで弾けそうな熱に攫われないようミカコはハルトに強くしがみついた。

「っく、ああ、もう────ッ!」
「ハルト、ハルトぉ……アあっ!」

ぐぐっと強く最奥に押し込まれたとき、熱はとうとう弾けた。ナカにあるハルトのがぴくんと脈打つのを感じる。
その瞬間は本当に天まで昇ってしまったかのようだった。腰が浮き、どこか知らない場所へと導かれたような。こんな感覚もミカコは初めてだった。

本当は

「はぁ……はる、と……」

弾けた熱の余韻に震える中、ミカコのナカからハルトが出て行く。
ぽすん、とミカコの胸の上にハルトの頭が乗る。三回目の深い溜息が聞こえた。

「もー……あわよくばとは思ったけど、こんなつもりじゃなかったのになぁ……」
「……ハルト?」

さっきまでの勢いはどこへ行ったのか、弱弱しいハルトの独り言がミカコの胸元に落ちる。
さっきから本当にどうしてしまったのか。その原因を考えたいが、余韻の引かない頭はまだ思考できるような状態ではなかった。ぶつぶつと独り言ちるハルトにミカコは困惑するしかできない。
とりあえず、ミカコが今言えることは。

「ハルト……ありが、と」
「…………」
「……その、すごくよかった……です。いままで、いちばん」

思ったことを素直に伝えるべきだと思った。それが我儘につき合ってくれたハルトへのせめてもの気持ちである。

「それに、こんなことまで、させちゃって……ごめん」

それにちょっと自棄を起こしたとはいえ、後輩と関係を持ってしまった。
こんなとき何と言えば良いかはわからない。
だが、きっと今まで通りとはいかないが、それでもハルトとは良い関係でいたいからと、ミカコはそれも素直に伝えることにした。

「こんなことになっちゃったけど、あの、これからも……その、私の良い後輩でいてくれ──」
「何言ってんの、いれる訳ないでしょ。バカなの先輩」

言葉の途中でずばりと言い放たれた。
胸に埋まっていたハルトの顔がもぞもぞと動いてミカコを見上げる。
可愛らしい猫目が不機嫌な色を持っている。拗ねたように口を曲げたハルトの頬は、林檎のように真っ赤だった。

「失恋の傷につけ入るみたいでいやだったから、俺ずっと我慢してたんですよ」
「……え?」
「俺のこと眼中にないって分かってたけど、ここまでしても意識されないなんてなぁ……」
「えっと、……どういうこと?」
「ミカコさんが好きだって言ってんの、この鈍感」

せっかく熱が引いて来たのに、好きだと言われてまた体温がぶわっと上昇した。
突然の告白に、頭が追いつかない。

「えっ?え?うそ」
「嘘じゃない。もう、最初から好きだったんだけど。だから今まで良い後輩ポジキープしてきたっていうのに、こんな形で……ああもう!」
「え、えっと……なんか、ごめん……?」
「ごめんじゃないし!告白すんならもっとカッコよく決めたかったわ!」

こんなあたふたするハルトは初めて見る。
まだ知らない後輩の顔があったとは思わず、なんだかおかしくて──満更でも無くて、ミカコはつい笑みを零してしまった。

「何笑ってんすか……」
「え?あ、ごめん。なんか……ハルトがおかしく見えて」
「はぁ!?」

でもやっぱりそれを正直に言うのは悔しい気がして言わなかった。散々喘がされたことに対する仕返しだ。

「──よし、決めた」

不穏さを纏ったハルトの声音に、嫌な予感がした。
ハルトの逞しい腕が伸びて思わず身構えたが、ミカコの横を通り過ぎてサイドテーブルの方へと向かう。
その手が掴んだものは、まだまだ中身の残る小箱。コンドーム。

「まだいっぱい余ってますしね。この一晩で俺のこと好きにさせてみせます」
「え?」
「俺をこうさせたのは、ミカコさんだから。その責任は取ってくださいよ」
「は?ちょ、嘘でしょ!?も、無理だって」
「言い訳無用」

ハルト、そう呼ぼうとした声は彼の唇に食べられた。
ミカコの嫌な予感は見事的中し、おかげで失恋で負った傷はいつの間にか遠い彼方へと消えたが、その代償は激しかった。

一年後、この日のリベンジと称して人生で一番幸福な告白をされるのだが、甘く激しい夜を過ごすミカコにはそんな未来を想像する余裕があるわけもなく。

──これは教訓だ。
自棄になっても、世話焼きで優しい後輩は煽らない方がいい。

END

あらすじ

会社の先輩後輩関係のミカコとハルト。ミカコは最近振られたばかりでハルトに気晴らしのために飲みに付き合ってもらっていた。
実はミカコが好きだったハルト、二人は結ばれる…!

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