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官能小説 【後編】妖の番
この作品について
この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した
「妄想小説コンテスト」の優秀賞作品です。
初めてを健斗さんに
首筋から鎖骨までを舐められながら、シャツの釦を外されてするりと素肌に手が触れた。私の体温より少し温かい手で肩や脇腹を撫でられるとそこからじんわりと熱が広がっていく。
後ろに回った手によってホックを外され、膨らみが露わになった。下から持ち上げられるように包み込まれて揉まれる。先端に触れるか触れないかの位置で強弱をつけながら触れられ、その擽ったさに身を捩るとふと先端を摘ままれた。

「あっ……」
急な刺激に思わず声を漏らす。擦られて軽く抓られると硬く充血していくのが自分でも分かった。鎖骨を舐めていた舌が下りていき膨らみに舌を這わせられる。弄られて膨らんだ乳首を舌でつつき、それからそこに吸い付いた。くわえながら舌で転がされると、身体がのけぞった。
「ひゃぁ……あっ……ぁ」
もう片方の先端も捏ねるように触られると声が零れる。こんなに胸が気持ち良いなんて知らなかった。思わず健斗さんの肩にしがみつく。
与えられる刺激を受け入れていると、健斗さんは両手を胸から腰までゆっくりと這わせて移動させていった。感触を楽しむかのように撫で、指で私の身体を犯していく。そうやって下腹部へまで侵入した手は簡単にその花園を暴いた。
「……ちゃんと濡れてるね」
あまりの恥ずかしさに頬が赤らむ。腰を抱きかかえるように持ち上げられて、するりとズボンと下着を脱がされる。
健斗さんは腹から太ももまで順に口づけを落としていきながら、閉じていた太ももに指が滑り込んで秘所が見えるように広げた。止まない口づけにこれから何をしようとしているのか気づいてしまい、思わずその手を掴む。
「ん? どうかした?」
「そんなことっ、しなくて良いです」
「詩織ちゃんに辛い思いして欲しくないし」
「でも……あ、んっ!」
話しは終わりとばかりに、ちゅっと敏感な部分を吸われてびくりと身体が震えた。ざらざらとした舌で舐められれば、感じたことのない快感に身体の反応が止められない。びくびくと勝手に身体が跳ねる。
「あ、ひ、やぁ……あ、んぁ……」
声を押さえることが出来ずにただ喘いでいれば、ゆるりと下を撫でられる。人差し指と中指にひだをゆっくりと擦られれれば、くちゅりと水音が響いた。ぬかるみを楽しむように指を動かし、溝を何度も往復させる。
「指、入れるね」
充分に潤ったそこはすんなりと異物を受け入れ包み込んだ。ごつごつとした指を浅いところで抜き差しされればむずむずとした快感が広がる。それが無性にもどかしくて無意識のうちに腰を揺らして奥へと誘導する。
奥深くまで入り込んだ指は、柔らかな肉壁をぐるりと掻き回しては押し広げる。探るように動き回る指に擦られ、蕾を強弱を付けながら親指で優しく押しつぶされて快感が弾けた。
「あ、んんっ、ぁ!」
「ん、かわいい」
荒く息をする私のおでこにキスをすると、健斗さんも服を脱いだ。滾った熱い欲望を入り口に当てられて、その先の恐怖と未知への期待にくちゅりと愛液が漏れる。
「詩織ちゃん……」
熱く濡れた声で請われるがままにその欲望を受け入れる。瞬間、中に侵入する引き裂くような痛みと圧迫感に悲鳴を上げた。
「あぁ、ひっ、いった……」
ぎゅっと目の前の身体にしがみつく。全部は入らなかったのだろうか、一旦止まってまた侵入してくるその動きに更に腕の力を込めて衝撃を逃がす。少しして止まった動きに深く息を吐いて呼吸を整える。
「……大丈夫?」
幾何かそうしていると落ち着いてきた。
「ん……大丈夫……」
痛みがなくなったところでそう告げればキスが落ちてきた。蕾を人差し指と親指で摘ままれて、その刺激に健斗さんを締め付ける。
「痛かったら言ってね?」
中が更に潤ってきたのを確認しながら健斗さんはゆるゆると上下に律動を始めた。
「ん、ふぁっ……あぁ……ひ、ゃ……」
あんなに痛かったのに、今はじんわりとした鈍痛とそれ以上の快感が身体を満たしていた。ある一点を擦られると気持ちが良く、そこを突かれる度に溢れる嬌声を飲み込むように唇が重ねられる。その柔らかさと伝わる熱が心地好く、何度もねだるように唇を食む。
「ふ、んっ……あ、け、んと、さん……」
段々と早くなっていくその動きに合わせて腰を揺らす。中のものを締め付けて絡みつくのが止められない。そして、締め付ければ締め付けるほど中のものを感じてしまう。
あまりにも気持ち良くて、でもそれを逃がす先がなく溜まっていく快感に身体を震わせる。中を擦る刺激に腿にきゅっと力が入った。
「やぁ……だ……め……ひゃあ!」
次の瞬間全身に甘い痺れが広がって、それが弾ける。力を失った身体とは逆に中は絞まり搾り取るよう痙攣する。そのまま深く腰を打ち付けられると、中にじんわりとした温かさが広がった。ゴム越しに感じたものだったけれど、確かに健斗さんも達したのだとその寄せた眉からも察せられた。
「ん、はっ、ぁ……」
健斗さんはずるりと中から引き抜くと、私の横に寝っ転がった。
そうして興奮が冷めないままどちらとからともなく唇を合わせる。
「んっ……詩織ちゃん……好きだよ。はぁ……僕、幸せだ」
何度も軽く唇を重ねながら、そう言う健斗さんにそっと囁いた。
「……私もですよ」
番の契約
「耳とか尻尾って隠すの難しいんですか?」
身体を清めて、またもやお茶をご馳走になりながらふと気になったことを聞いてみた。最中は消えていた耳と尻尾が動いているのを見ながら、狛犬である本当の姿を想像する。
「別に大変とかそういうんじゃないけど、狛犬は耳と尻尾が象徴だからね。完全に変化させない方が感覚とか力が強くなるから、妖と対峙する時とかには敢えて残すかな。……ある方が好き?」
「……ちょっと動いてるのを見ると気になります」
触っていいよと言われて耳を撫でる。耳も尻尾も心境を表すように動いていて、健斗さんはいつも穏やかで感情に起伏がないイメージだったので、それが私には面白く映っていた。
「ふーん、それなら詩織ちゃんと二人でいるときは残すようにしようかな」
そんな話をしていると、ガチャリと玄関の扉が開く音がしてばたばたと足音が近づいてくる。
「っ! 詩織!」
「あ、真子。」
勢い良く駆けてきた真子は文句を言いながら私と健斗さんの間に割り込むと私のことをぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫だった? すぐに気が付かなくてごめんね」
「あ、うん。健斗さんが助けてくれて……」
私がお風呂に入っている間に、健斗さんが真子には一連の事を連絡をしてくれたらしい。それに今日は狛犬としての仕事があり、それをバイトと言っていただけだと教えてくれた。
真子の後ろでぶんぶんと左右に揺れる尻尾。それを見ながら返答をすると私の目線に気が付いた真子が慌てたようにお尻を押さえる。次の瞬間には耳も尻尾も消えていて、ソファに座りなおしてから口を開く。
「もう色々聞いたかしら?」
「え、あ、うん。簡単なことは」
「そう。まあ、そういうことだから、もう危険なことはないわ。永久の時であっても、私もいるしね」
「ん……?」
最後の言葉の意味が分からずに首をかしげると、真子が眉をひそめて健斗さんの方を振り返る。
「ちょっと、兄貴」
「ん、何?」
「っまさか、まだ言ってないなんてことないわよね?」
「まだだけど」
「は? じゃあこのマーキングは何なのよ!?」
「あのね、この状態で僕ずっと一緒なら安全なんて言っちゃったら、頷くしかないでしょ? 番になるかは詩織ちゃんに決めてほしいし、ちゃんと振り向いてもらえるまで待つつもりだから」
にこにことした健斗さんに詰め寄る真子。険悪そうな雰囲気に見えるが、入り込む勇気もなく二人をぼーっと見つめていると真子が突然こちらを向く。
「詩織! 兄貴のこと好きなんじゃないの!? 高校生の時、ずっと兄貴の交友関係気にしてたじゃない」
「なっ……それは!」
突然降ってきた火種に、言わない約束だった! と叫ぼうとしたところで、健斗さんと目がぱっちりと合う。
「そうなの?」
「うっ、そうですけど……」
確かに誰にでも優しくてかっこいい健斗さんには高校生の時から温めている思いがある。真子に健斗さんの話を執拗に聞いたり健斗さんの好みの人を探っていた時期もあった。
「というか、そうじゃなかったら健斗さんを選ばないですよ……」
さっきした告白はなんだったんだと思いながら、リップサービスに聞こえていたのかもしれないと思う。いきなり将来を誓えるほど楽観的な性格をしていないだけで、健斗さんの事を好いているのは事実なのだ。
「真子! 聞いた? 詩織ちゃんから将来を誓ってもらえるように頑張るね」
健斗さんが弾けんばかりの笑みを浮かべて抱き付いてくる。すりすりと胸の上に顔を押し付けられ、ふわふわとした毛が柔らかな耳が顔に当たる。健斗さんと私の間に座っていたせいでそれを自分の前でされた真子は嫌そうな顔をして健斗さんを押しのけた。
「ほら、兄貴! ちゃんと詩織のこと送っていきなよ」
促されるまま玄関で真子の見送りを受けて外に出ると雨は止んでいた。
今日起きたことの全てが現実ではないような気分だったが、見慣れた道を歩いていると現実だという実感が湧いてくる。妖が存在するなんて話を聞いて実際に目で見て世界が変わってしまったような気もするし、何も変わらないような気もする。
何だか不安になって隣を歩く健斗さんの手を握れば握り返してくれた。
その手の温かさにほっとしながら、怖いことだけではなく手を握れる相手が出来たという変化もあったのだと気が付いた。そしてその手は多分今までも私も事を守っていてくれていて。そう考えるとやっぱり心配はいらないような気持ちになり、私は明日からの楽しい日々を想像しながらその手をますます強く握ったのだった。
真子の気持ち
「なーにが振り向いてもらえるまで待つ、よ。勝手に番の契約を交わしたくせに」
そう真子が扉を閉める直前にぼそりと呟くと、健斗が振り返って笑みを浮かべた。健斗から言わせれば、処女を捧げることに同意した時点で詳細を告げなくとも番の契約を許されたと同義だ。
死ぬまで解けない契約は番同士の寿命を等しくする効果があり、どこにいてもその位置が把握できるので守ることも容易い。
健斗は狙った獲物を逃がすほど愚かでも、他の男に譲ってやるほど優しいわけもない。最初に目をつけられた時から何れはこうなる筈で、その期間を伸ばすために真子は健斗と詩織が程々の距離を保つようにしてきた。
それは今日のことで失敗してしまったし、番の契約を結ばれてしまった詩織は今日この時から他の人と同じように時を歩むことはできないだろう。
だから、せめて詩織には健斗を好きなままでいてほしいと思っているのだ。 運悪く目を付けられた可哀そうな友人を思いながら、さっき捕まえた蛇をどう調理するか考えるべく台所へと足を向けた…。
END
あらすじ
健斗さんに秘密を打ち明けられた詩織はある契約を迫られ、そのまま…