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官能小説 とろけるような二人の夜に
第一章:すれ違う二人、褪せる色
凛、40歳。文彦、43歳。結婚してちょうど10年が経った。
子どもに恵まれず、たっぷりとあったはずの二人の時間は、その年月と共に静かに姿を変えていた。結婚当初の3年間は、絵に描いたようなラブラブぶりで、週末は必ず二人で出かけ、平日もささいなことでじゃれ合い、イチャイチャが日常だった。
文彦の優しい腕に包まれる日々が、凛にとって何よりの幸せだった。
しかし、時が経つにつれて、熱烈なスキンシップは影を潜め、二人の関係は水が流れるように穏やかなものへと変わっていった。それは決して仲が悪くなったわけではない。むしろ、互いを深く理解し、支え合う「家族」としての絆が深まった、と凛は思っていた。
だが、40代を迎えてからの数年間は、二人のキャリアが急加速した時期でもあった。凛は長年勤めてきたアパレルブランドで新規事業の立ち上げを任され、文彦もIT企業のマネージャーとして、海外とのプロジェクトを統括する立場になった。朝早くから夜遅くまで働く日々。
週末も、どちらかの仕事が入ることが増え、二人でゆっくり過ごす時間は激減した。
「ただいま」
夜遅く帰宅した文彦の声に、凛はかろうじて「おかえり」と返す。食卓は静かで、疲労の色が濃い顔を見合わせるだけで、会話も弾まない。
些細なことで意見が食い違い、口論になることも増えた。喧嘩の後には、いつも重苦しい空気が漂い、そのまま眠りにつく。気がつけば、いつの間にか心の距離が広がっているような、そんな感覚に囚われることが増えていた。
互いを大切に思う気持ちは変わらないはずなのに、このすれ違いをどうすれば埋められるのか、凛には分からなかった。
第二章:偶然の出会い、秘めたる期待
そんなある日のこと。
仕事で新商品の企画会議に参加していた凛は、あるユニークな入浴剤のサンプルを手に取った。それは『ローション風呂入浴剤 トロケアウ』という商品で、とろとろ、ぬるぬるの湯触りが特徴だという。
最初は少し変わった商品だと思ったが、サンプルを使ってみた開発担当の女性社員が、頬を赤らめて「これが、本当に…すごくて……」と熱弁するのを聞き、凛はふと、あることを思いついた。
その女性社員は、まるで秘密を打ち明けるかのように声を潜め、「初めて使った時は、正直、こんな入浴剤アリなの!?って驚きました。でも、お湯に入った瞬間、とろっとした感触に全身が包み込まれて…なんというか、肌に吸い付くような、これまでにない感覚で」と語った。
彼女は言葉を選びながら、興奮した面持ちで続けた。
「もう、体の隅々まで潤っていく感じで、お風呂から上がっても、ずっと肌がしっとり、すべすべなんです。翌朝も、まるでエステに行った後のように、肌の調子が全然違ってて…」と、熱心に説明した。
そして、少し間を置いて、意味ありげな視線を凛に送りながら、「でも、一番すごいのは、やっぱりパートナーと一緒に入った時で…」と、彼女の声は一層熱を帯びた。
「あの、とろとろ、ぬるぬるの湯の中で肌が触れ合うと、普段の何倍も敏感に、お互いの体を感じられるんです。指先が触れるだけでもゾクゾクするし、肌が密着すると、もう…言葉にならないくらい気持ちがエスカレートしていくのが分かるんです。
いつもよりずっと刺激的で、楽しくて、まさに二人だけの特別な時間を過ごせたなって。本当に、普段では味わえない体験でした…」と、熱のこもった眼差しで語った。
凛は、彼女の話を聞きながら、最初は半信半疑だったものの、その熱のこもった説明に少しずつ引き込まれていった。特に、「パートナーと一緒に入ったら」「普段では味わえない体験」という言葉が、凛の心に強く響いた。
(これ、もしかして、文彦さんと……)
自宅のバスルームで、凛は『トロケアウ』をじっと見つめていた。こんな特別な入浴剤を、あの文彦と?最初は馬鹿げていると思ったが、心の中では、どこか期待している自分がいた。最近、まともに触れ合うこともなかった二人。
このとろとろの湯が、冷え切った心を、再び熱く溶かしてくれるかもしれない。
第三章:とろける湯、再燃する愛
その夜、文彦が帰宅すると、リビングにはいつもと違う、ほのかな甘い香りが漂っていた。疲れた顔で「ただいま」と入ってきた彼に、凛は努めて明るい声で言った。
「おかえり。ねぇ、今日、面白い入浴剤を見つけたんだけど、一緒に入らない?」
文彦は一瞬驚いた顔をしたが、凛の少し上気した頬を見て、ふっと優しく笑った。
「珍しいな。いいよ。疲れてたし、ちょうどいいかも」
バスルームには、すでに湯が張られ、そこにはほんのりと乳白色のとろみがかった液体が揺れていた。湯気と共に、甘く妖しい香りが立ち込める。文彦は、少し戸惑ったような顔で湯に手を入れた。
「うわ……なんだこれ、本当にトロトロだ」
凛もそっと湯に足を入れる。肌を滑るような独特の感触に、思わず声が漏れた。
「ね?不思議な感じでしょう?」
二人でゆっくりと湯に浸かる。とろりとした湯が肌に絡みつき、普段とは違う密着感を生み出す。湯の温度が、じんわりと体の芯まで染み渡り、張り詰めていた心がゆっくりと解けていく。
「なんだか、懐かしいな、この感じ」
文彦が、ぼそりと呟いた。彼の視線が、凛の頬に触れる。久しぶりに見る、彼のそんな優しい眼差しに、凛の心臓がトクンと鳴った。
「うん……」
湯の中で、二人の肌が触れ合う。ぬるりとした湯の感触が、普段の何倍もの刺激となって伝わってくる。まるで、体の感覚が研ぎ澄まされたようだ。文彦の手が、そっと凛の腕に触れる。湯の中で滑るように、その手がゆっくりと凛の肩へと移動し、背中を優しく撫でた。
「あの頃みたいだな……」
文彦の声は、湯気に溶けるように甘く、凛の耳元で響いた。彼の体が、凛にそっと寄り添う。とろとろの湯の中で、二人の体が密着する。肌と肌の境目が曖昧になるような、不思議な感覚。それは、結婚したばかりの頃、何もかもが新鮮で、互いを求め合ったあの頃の熱量を、鮮やかに呼び覚ますようだった。
文彦の指先が、凛の髪をそっと梳き、そのまま頬に触れる。熱を帯びた彼の指に、凛の心臓は激しく高鳴った。

「凛……」
彼の声が、愛おしそうに凛の名前を呼ぶ。その瞳には、凛だけを映す、熱い光が宿っていた。
「……文彦さん」
凛が、彼を見つめ返すと、文彦はゆっくりと顔を近づけてきた。湯気と甘い香りに包まれた空間で、二人の唇が、そっと触れ合った。それは、とろける湯のように甘く、そして、忘れかけていた情熱を呼び覚ます、熱いキスだった。
「…もっと、近くに…」
凛が小さな声で囁くと、文彦は一層強く抱きしめ、二人の体は湯の中でぴったりと重なった。湯のとろみが、肌の摩擦を滑らかにし、互いの体の曲線が、寸分違わずフィットする。文彦の吐息が凛の首筋にかかり、ゾクゾクとした快感が全身を駆け巡る。
「…温かいな、凛…」
彼の指が、凛の背筋をゆっくりと這う。その動き一つ一つが、深く、優しく、そして熱を帯びていた。凛は、文彦の肩に顔を埋め、彼の温もりを全身で感じた。
「…ずっと、このままでいたい…」
凛の言葉に、文彦は何も言わず、ただ深く、優しいキスを返した。湯の中に満ちる甘い香りが、二人の意識をさらに深く、官能的な世界へと誘うようだった。互いの体の輪郭が曖昧になり、溶け合うような一体感に包まれる。それは、言葉では表せないほど、深く、満たされた時間だった。
第四章:とろける夜に、愛を再確認する
その夜、バスルームを出た二人の体は、湯の熱さ以上に熱を帯びていた。互いの目には、疑いようのない愛と、再燃した情熱が宿っている。
ベッドルームへ向かう足取りは、まるで吸い寄せられるようだ。部屋に入ると、文彦は何も言わずに凛を抱きしめた。その腕は強く、凛の体を離すまいとするかのように、しっかりと抱きしめる。
「凛、本当に、愛してる」
文彦の切ない声が、凛の耳元で響く。その言葉は、凛の心に深く染み渡り、張り詰めていた心の糸が、プツンと切れる音を立てた。
「私も……文彦さん……」
震える声でそう言うと、彼の唇が、再び凛の唇を塞いだ。今度は、もっと深く、激しく、互いを求め合うかのように。肌と肌が触れ合うたびに、忘れていた快感が全身を駆け巡った。
服がゆっくりと脱ぎ捨てられ、肌と肌が触れ合う。
とろける湯で感じたあの密着感が、再び二人を包み込む。互いの体温を感じながら、これまで抑えてきた感情が、堰を切ったように溢れ出した。
二人の呼吸が荒くなり、甘い吐息が静かな寝室に響き渡る。言葉はもういらない。ただ、互いの存在を確かめ合うように、優しく、そして情熱的に触れ合った。
そして、二人は一つになった。
穏やかで、しかし確かな愛の証が、夜の帳に包まれた部屋を満たしていく。決して激しいだけではない、互いを深く慈しみ、大切に思う気持ちがそこにはあった。
夜明けが訪れる頃、文彦の腕の中で目覚めた凛は、彼の顔を見上げた。彼の穏やかな寝顔は、まるで初めて出会った頃のようだ。
「ありがとう……」
凛がそっと呟くと、文彦は寝返りを打ち、凛をさらに強く抱きしめた。
すれ違い、遠ざかっていた二人の心は、『トロケアウ』という不思議な入浴剤をきっかけに、再び深く結びついた。肌で感じた温かさと、心の底から溢れる愛おしさが、二人の絆をより一層確かなものにしたのだ。
キャリアが忙しくなっても、互いの存在が何よりも大切であること。そして、いつでも戻れる温かい場所があること。それを再確認できた今、凛と文彦の結婚10年目の関係は、新たな輝きを放ち始めていた。
END
あらすじ
結婚10年目を迎える夫婦。長年培われた家族愛は深く、熱を帯びた感情は静かに、日常に溶け込んでいた。
そんな時、仕事で出会ったある商品のサンプル。それは、忘れかけていた感情のスイッチを、そっと押すような出会いで…

















