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官能小説 【前編】優しいメガネ先輩の隠れた支配欲【LCスタイル】


この小説について

この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した、
「妄想小説コンテスト」の優秀賞作品です。

失恋のやけ酒

その日はゼミの飲み会だった。
いつもはお酒の量をきちんとセーブしている彩矢(あや)だったが、その日は気分がささくれ立っていて限界を超えて酒を呷った。

「はぁぁ、このカクテル美味しい! もう一杯!」
「もうやめときぃな、飲みすぎやで、アヤちゃん」

関西弁でそうたしなめるのは、ゼミの先輩の西方晴(にしがたはる)だ。少し長めの黒髪に、オーバル型の細いメタルフレームの眼鏡をかけている。眼鏡の奥の目は少し垂れていて、中性的な容姿も重なって優し気な雰囲気のある男だった。

「止めないでください西方先輩。今日は飲みたい気分なんですっ!」
「でも、もう顔が真っ赤やで。さっきからそれで6杯目やろう? アヤちゃん、普段は3杯くらいしか飲まへんやん」
「普段は普段、今日は今日です。今日はとことん飲みたいんです!」

ドンッと彩矢がグラスを置くと、晴は大きく息を吐いた。

「そう言っても、もう飲み放題の時間も終わるで? 周りを見てみぃ。そろそろ解散の流れや」

晴にたしなめられて、彩矢は周囲を見回した。
ゼミの仲間のグラスはほとんど空で、端の方では集金が始まっていた。

「ええ〜、まだ飲み足りないのに〜」
「今日はもう止めとこ。ほら、お財布出せる?」
「ん……あれ、鞄どこぉ?」
「ああもう、しっかりしてや。ほら、そこにあるやん」

すぐ真横にあるハンドバッグを探す彩矢に、呆れた様子で晴はバッグを差し出した。
おぼつかない手つきの彩矢に変わって、飲み会代の集金3,500円を徴収して、幹事へと手渡す。

「はい。コレ、俺とアヤちゃんの分」
「アヤちゃん、だいぶ出来上がってるね。ちゃんと帰れる?」
「まだ帰らない〜〜!もっと飲むの!」
「はいはい、今日はもう止めとこなぁ。アヤちゃん、俺と帰る方向一緒やから、途中まで送ってくわ」

子供をあやすように晴が言って、幹事へと向き直った。

「うん、それがいいかも。西方くんなら安心だし」
「え、それどういう意味?」
「送り狼にはならなさそうってこと。アヤのこと、任せたよ!」

ポンと肩を叩かれて、晴は苦笑した。
参加者全員の集金が終わるとお開きモードだ。彩矢はどうにか鞄を掴むと、おぼつかない足取りでふらふらと立ち上がった。
ぐらりと身体が傾いたところを、慌てた晴に支えられる。

「ほら、言わんこっちゃない。真っすぐ歩かれへんの?」
「え〜、歩けるよ。ほら、歩いてる」
「全然真っすぐちゃうからな!? ああもう、いいから俺の肩につかまって」

ふらふらと危なっかしい足取りで歩く彩矢を見かねて、晴は彼女の腕を肩に回した。

「アヤちゃんがこんな調子やから、悪いけど俺達、先に抜けるわ」
「ああ、うん。西方も面倒見がいいなぁ。アヤちゃんのこと、頼んだよ」
「はいはーい」

明るく挨拶を交わすと、晴は彩矢を支えながら居酒屋を出た。
10月の夜は少し肌寒く、夜気に触れると酒で火照った身体が少し震えた。
晴は彩矢を支えて歩きながら、気遣う様に彼女に声をかける。

「駅に向かうで。彩矢ちゃん、歩ける?」
「歩けるけど、帰りたくない、まだ飲みた〜〜い!」
「……こりゃあかんな。タクシー使ったほうが良いかも」

晴は肩を竦めると、タクシーを拾うために駅ではなく大通りへと向かって歩いた。
彩矢は晴に寄りかかりながら、どうにかこうにか足を進める。
がっしりと広い晴の肩を見て、彩矢はふざけて彼の肩を抱く腕に力を込めた。

「うわぁ、西方先輩の肩ひろーい!」
「アヤちゃん!ちょっと、密着しすぎ!!」

彩矢がぎゅっと引っ付くように近づくと、晴は慌てた様子で彼女をたしなめた。

「え、なに? 西方先輩顔が赤いですよぉ? 私に抱き着かれて照れちゃった?」
「この酔っ払いが。赤いのはアヤちゃんの顔や。そもそも、彼氏がおんのに、他の男に抱き着くっていうのはよろしくないで? こうやって送られるのも、あんまり良くないっていうのに」

晴がため息交じりに言うと、彩矢はむすっと眉根を寄せた。

「大丈夫ですよーだ。彼氏とは、3日前に別れましたから」
「え、嘘やん。だって自分ら、めっちゃラブラブちゃうかった?」

彩矢とその彼氏は、どちらもおなじ大学だ。二人が一緒にいるところを、晴も何度か目撃していた。

「ラブラブじゃないです。あんなやつ、大っ嫌い」
「もしかして、それで今日はそんなんなん? ヤケ酒ってやつ?」
「そーですよ! ヤケ酒です。だから西方先輩、もうちょっと付き合って下さいよ。飲み足りないんです」

彩矢が強請ると、晴は困ったような顔でぽりぽりと頬を掻いた。
しばらくあーとか、うーとか唸ったあと、うかがうような目で彩矢を見る。

「そんなに飲みたいって言うなら、俺の家でやったらええで?」
「え?」

先輩に誘われて

色気のある声で言われて、彩矢は思わず目を丸くした。
晴は京都からこちらの大学に来ている。つまり、彼は今一人暮らしなのだ。

「西方先輩の家で、ですか?」
「うん。俺の家やったら、アヤちゃんの愚痴をなんぼでもきいたるし、酒ものましてあげる。どーする?」

あごに手を添える男性

彩矢は探るように晴の目を見た。けれども、眼鏡の下の晴の目はいつもと同じく優しげで、どういう意図を持っているのか今一つ読み取れない。
彩矢が迷っていると、晴はふっと笑顔を作った。

「ほら、困るんやったら早よ帰り。ちゃんと意識があるうちに家に帰って、ゆっくり休んだ方がええよ」
「先輩の家に行きます」

彩矢が言うと、晴は驚いたように目をみはった。
それから軽く首を左右にふって、はぁと大きくため息を吐く。

「あのなぁ、アヤちゃん。優しそうに見えても、男はみんな狼やねんで? 簡単に家に行くとか言ったらあかん」
「先輩も狼になるんですか?」
「そうみえへん?」
「見えないです。先輩が狼になるとか、想像できません」

彩矢はそう言うと、晴の目をじっと見つめた。
晴は男性にしては中性的な雰囲気で、眼鏡の下の目も優し気で、面倒見のいい優しい先輩だ。
いつも何かと彩矢の面倒を見てくれて、甘えさせてくれる。
その分、男性としてあまり意識したことが無かったのだが、そういうと晴はむっとした顔をした。

「アヤちゃんにそこまで舐められてるとはなぁ。まぁ、ええわ。じゃあ、俺の家においで。酒でも愚痴でもそれ以外でも、とことんつきあってあげるから」

晴はそういうと、やってきたタクシーに彩矢を押し込んだ。

晴のマンション

タクシーが止まったのは、小さなマンションの前だった。
晴の家はそのマンションの2階にあるらしい。オートロックのドアをあけて、エレベーターで2階へと上がる。
彩矢の酔いはまだ覚めておらず、晴につかまりながらの移動であった。

晴の家は学生にしては少し広めの1Kだ。部屋の中央には小さなソファーがあって、そこに座るように晴は言った。

「部屋、綺麗にしてるんですね」
「あんまり散らかってるのは好きちゃうねん。ビールでええ?」

晴はキッチンにある小さな冷蔵庫から缶ビールを取り出した。お酒が家の冷蔵庫に常備してあることに彩矢は驚く。

「西方先輩って、結構お酒を飲むんですか?」
「ん〜、まぁ、そこそこ?」

そういえば、飲み会でも晴が酔ったところは見たことがない。
晴は缶ビールを二本持ってくると、彩矢の隣に座った。一人暮らしの晴の家に置かれたソファーは小さくて、晴と並ぶと二人の肩が密着する。

「はい、どうぞ。ご所望のお酒やで?」
「ありがとうございます」
「それで、何があったん? なんで、彼氏さんと別れてしもたん」

ぷしゅっとプルトップを押しながら、晴が尋ねた。

「浮気されたんです。浮気っていうか、二股だったのかな」
「うわぁ。そりゃあまぁ、最悪やな」
「本当に最悪ですよ。そんなことするようなヤツだと思わなかったのに」
「まぁ、あの彼氏さん、見た目はめっちゃ誠実そうやもんなぁ」

晴の言葉に彩矢は頷く。
元カレは、見た目も行動も誠実であった。でも実際は誠実なように見えていただけで、裏では別の大学の女にちょっかいをかけていたのだ。

「まぁ、なんていうか、見た目に騙されたらあかんで? 誠実そうな人間が、誠実やとは限らんからな」

したり顔でそういう晴も、見た目だけであれば誠実そうに見える。
だから彩矢は疑うような目で尋ねた。

「西方先輩も、実は不誠実なんですか?」
「えぇ? 俺は、浮気はせえへんよ。好きなコには一途やし」
「本当ですか?」
「ほんま、ほんま。でもまぁ、アヤちゃんが思ってるほど、優しくて良い人ではないかもなぁ」

晴はそういって笑うと、手に持ったビール缶を傾けて、中身を彩矢の服へとぶちまけた。
えっと思っているうちに、彩矢の着ていたカットソーがびしょ濡れになる。

「え?」
「ああ、ごめんな、アヤちゃん。手がすべってもうたわ」

⇒【NEXT】晴の眼鏡の奥の目が、怪しく笑う。(【後編】優しいメガネ先輩の隠れた支配欲)

あらすじ

失恋したばかりのあやは大学のゼミの飲み会でやけになって飲みすぎてしまい、
介抱してくれた西方先輩に彼の自宅で飲みなおさないかと誘われて…

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